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160 三人の中では一番
「雪ちゃん、いつも瑞葉に怒鳴ってばかりだから~、Sなんだと思ってた~」
海彩が両手の指を合わせて、のほほんと言う。
「別に怒鳴りたくて怒鳴ってるわけじゃないです……。てか怒鳴ってはなくない?」
「……」
「……」
無言の瑞葉と海彩に、不安になってくる美雪。
「……ないよね?」
「スタイルはね」
瑞葉が答える。
「スタイルの話じゃねーよ!」
「ぶっ、ふっ……ふふっ……」
海彩は口元を手で押さえて、体をふるふると震わせていた。
「なんだよ、根に持ってたのかよ」
「嘘だよ!」
「嘘かよ」
「雪ちゃんはボンキュッボンだよ!」
「それも嘘っ」