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16 集合
「なにやってんのさ……ふたりとも……」
コンビニから帰ってきた美雪が見たものは、ひたすらその場で跳びはねる海彩とその隣でけらけらと笑う瑞葉の姿だった。
「あっ、雪ちゃん!」
飛び跳ねている海彩が美雪の存在に気付く。息は切れ切れ、顔は林檎のように染まっていた。
「雪ちゃん、アタシが、時間、を、稼い、でる、間、に、逃げて!」
「何からだよ! っていうか何も稼げてないよ、それ」
美雪は必死に跳び跳ねる海彩を見て、海彩もさっきの自分と同じように瑞葉のことを不良だと勘違いしているんだろうな、となんとなく理解する。
「おう、いま来たお前も金出せや」
悪人面で美雪にそう言う瑞葉。なぜか更に怯える海彩。
「海彩、コイツ瑞葉だぞ」
「……へ? ……みずはあ?」
美雪の言葉にジャンプをやめる海彩、不良だと思っていた人物をじっと見つめる。疲れていて焦点が合わないのか、照合には少し時間がかかった。
「ホントだ! 瑞葉だ?」