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159 現実
「雪ちゃんの初恋、まだでよかったね~」
「ねー」
安堵する海彩と瑞葉。
「そんな安心することか?」
「するよ~」
「……はっ!」
瑞葉が何かに気付く。海彩もその何かを察する。
「雪ちゃんの初恋がまだってことは~……」
「これからイタズラされちゃうのかな? あたしたち……」
「し、ま、せ、ん、っ!」
全力で否定する美雪。
「なんで?」
「むしろなんでそんなわたしに好かれる自信あるんだよ」
「……スタイル?」
「ねえよ!」
「即答!? ひどいっ!」
「あははは~っ」