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157 疑惑
「こんなにあたし達にからかわれてるのに、あたし達と一緒にいたいだなんて。もしかして雪ちゃんはMなの?」
瑞葉は瞳孔が大きく開いた瞳で、美雪を見つめる。
「ち、が、い、ま、す! ってか、からかってる自覚あったのかよっ」
「たのしいよ~」
にこにこ顔の海彩。
「見てる方はな……」
疲れ顔で返す美雪。
「あれだよほら! 好きな子についついイタズラしちゃうやつ!」
「初恋かっ!」
「ぷふっ……」
にこにこしていた海彩の顔が、笑いを堪えるために歪んだ。
「初恋ってそうなの?」
「いや、あの、イメージ」
「……ふ~。雪ちゃんは初めて好きになった子についついイタズラしちゃうの~?」
「あ……! 海彩ちゃんどうしよう! あたし達、雪ちゃんにイタズラされちゃう!」
「だ、か、ら、イメージって言っただろ! わたしのことじゃないからっ」