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144 浄化
「例えば、綺麗なものに汚いものを擦り付けるとどうなる?」
「汚いものが綺麗になっていく……!」
「おしいっ」
「へ?」
「綺麗なものが汚くなっちゃうだろ」
「雪ちゃん、自分が綺麗だって自覚あるの?」
「ないけど」
「大丈夫、雪ちゃんは綺麗だよ」
「うっさい」
「でもその論理だと、あたしといつも一緒にいる雪ちゃんはあたしで汚れちゃうね?」
「自分が汚い自覚あるのかよ」
「…………」
「なんか言えよっ」
「アタシは~?」
「そうそう、海彩もいつも一緒にいるだろ。ってか海彩と瑞葉は小学校から一緒だろ?」
「…………」
「だからなんか言えよっ」