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135 わからない
「嫌われてなくてよかったっすね」
「うん! 嫌われてなくてよかった!」
「きらってなくてよかった~」
「いや、海彩は安心しなくてもいいだろっ」
「いいの~?」
「え、だって、自分の気持ちでしょ? わかってたでしょ?」
少し心配になってきた美雪。
「え~……、う~ん……」
「でも声に出さないとわからないことってあるよね」
瑞葉が助言を入れる。
「うん! ある~!」
「それは言われる側の、瑞葉の場合でしょ。言う側は声に出す前にわかってるよ」
「は?」
「わかれよっ」
「雪ちゃんの声が綺麗すぎて、内容が全然頭に入ってこなかった、ごめんね」
「あ~、わかる~」
「頭ん中お花畑かっ」