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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
13/448

13 姫澤海彩(ヒメサワミドリ) 2

 気持ちいいくらい全部が順調に進んで、一番乗りで待ち合わせの神社の前に着いた。

 少し遠くから雪ちゃんと瑞葉が駆け寄って来るのが見える。瑞葉は「海彩ちゃーん!」とアタシを呼んで手を振ってくれている。

「瑞葉ー!」

 アタシも手を振り返す。

「海彩ちゃーん!」

 瑞葉もまた手を振り返してくる。

「海彩ちゃーん!」

 …………あれ?

 雪ちゃんも瑞葉も走ってるはずなのに全然近付いてこない。雪ちゃんの声も聞こえない。

「海彩ちゃーん! 海彩ちゃーん!」

 そうだ。この声のトーンはアタシのケータイの着信音に似てる…………ケータイ?

 アタシは飛び起きて無我夢中で電話に出る。

「……あああああああああ!」

 もう待ち合わせの時間だ!

 着替えなきゃ! 家出なきゃ! 朝ごはん食べなきゃ! 寝癖取らなきゃ!

「ごめんね! すぐ行く! 本当にごめんね! すぐ行くから待ってて!

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