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121 自信
「海彩ちゃんのほっぺた、どっちが肌色?」
瑞葉が海彩の頬に指を差して美雪に尋ねる。海彩の片方の頬は健康的な色をしているが、反対側の頬は先程瑞葉につつかれたせいでまだ赤くなってた。
「アタシほっぺたやわらかいよ~」
「ごめんね、海彩ちゃん。今柔らかさの話じゃなくて色の話してるの」
「不憫な」
「で、どっち?」
「まあそりゃ赤くなってない方だろ」
「やっぱそうかー」
「わかってるなら赤くすな!」
「いやー、ほっぺた柔らかそうだったからついでに」
「でしょ~!」
海彩は自分で両頬をふにふにと摘む。
「色の話から柔らかさの話になったよ!」
「良かったな、海彩」
「雪ちゃんも、アタシのほっぺた赤くなるまでつついていいよ~?」
「しません」