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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
116/448

116 チョロい

(ゆき)ちゃんの好きなトコ、多すぎてなかなか出てこないよね~」

 指を一本ずつ伸ばしていく海彩(みどり)

「ね。逆にね!」

 それに頷く瑞葉(みずは)

 海彩の指はすぐに十本とも伸びきってしまう。

「う~、手がいつつあっても足りない~」

「いくつな、手はふたつしかないから」

「雪ちゃんこまかい~~」

「いや、だいぶ違うと思うぞ……」

「しょうがない、あたしが手を貸してあげよう!」

「ありがと~瑞葉~」

「それでも五つに届いてないけどな」

「雪ちゃんのそーゆーとこ、好きだよっ」

「えっ、どこ?」

「アタシもアタシも~」

「待って、今のやりとりで好きになる要素あった?」

「あたしと喋ってくれるところ」

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