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112 マスク違い
「それじゃ、雪ちゃんのマスク買いにマスク工場行こっか!」
瑞葉が手の平をぱんっと合わせる。
「いーよ、マスクくらいコンビニで買うよ」
「えー、コンビニだと高いよー? 薬局のが安いよ―?」
「だったら最初から薬局勧めろよっ」
「マスクって~、何マスクくらい~?」
海彩が首を傾げる。
「何だその質問?」
海彩の言葉に、訳が分からず美雪も首を傾ける。
「うーん、種類にもよるけど百マスクくらいかな」
瑞葉が答える。
「それじゃ~たくさんマスク持ってかなきゃだね~」
「いや、そんなにマスクがあるなら買わなくてもいいだろっ、あるやつ使え」
「やだ、何言ってるの? 雪ちゃん」
「なんだよ」
「普通、マスクは使わないよ? 風邪予防とかで使うのはマスクだよ?」
「おまえが何言ってんだ」