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11 セットvs寝癖
「海彩ちゃんが不良の話だけどさ」
「海彩の髪の毛が不良っぽいって話な」
瑞葉の発言を訂正させる美雪。
「海彩ちゃんの頭が不良っぽい話だけどさ!」
「その言い方だと海彩がバカっぽいみたいだからやめてあげなね……」
瑞葉の訂正した発言が余計に酷くなっていて肩を落とす。そして思えば、確かに海彩はあまり頭が良い方ではなかったな、と更に肩を落とす。
「うん。で、雪ちゃん、ちょっとキャバクラで働いてる人たちの髪型想像してみて?」
「いや、行ったことないからわからないし」
「あくまで想像で! テレビのドラマとかでいいから!」
「えー……、えーと……」
瑞葉の無茶苦茶な要求になんとか応えようと美雪は頑張って想像力を働かせるために目を瞑り頭の中に像を作る。
「じゃあ、そこに海彩ちゃんを並べてみて?」
瑞葉に言われるまま、美雪はさっき作った像の隣に中学時代の海彩を立たせる。
「…………海彩の方が派手、かも」
「でしょっ!!」