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101 物理
「アタシ、裏口から学校入ったことないよ~?」
「このレベルはヤバいねっ?」
「やばいなあ……」
「え~、瑞葉と雪ちゃんはあるの~?」
「ないよ」
「ないけど、そういう意味じゃなくてな……」
「でも海彩ちゃん、中学の頃は一度も補習とか受けてなかったじゃん?」
「まあ……言われてみれば、確かにそうだけど」
「こんなんでも実はそこそこ頭良かったりするんじゃない?」
「こんなんって、おまえな……」
瑞葉と美雪は海彩を見る。当の本人は何も分からずニコニコしている。
「こちらのお嬢様の……」
「そこまで持ち上げなくてもいいからっ」
「海彩ちゃんのお父さんとお母さんって、パッと見すごそうだしさ」
「パッと見じゃないだろ。素で凄い人達だよ、海彩の両親は」
「その血が流れてるんだから、きっと立派な勇者に」
「ならないよ。流れてるのは学者の血だよ」