100/448
100 課金
「海彩、おまえよくそれで入学できたな……」
「えへへ~。雪ちゃんありがと~」
「褒めてはない」
「が~ん、ぬかよろこび」
「あたしはけっこう受験勉強したんだけどなー」
瑞葉が胸の前で両手を軽く握り、親指と人差し指を忙しなく動かす。
「おもいっきりゲームやっちゃってるなあ……」
「受験勉強めっっっちゃ楽しかった!」
「でしょうね。寧ろそれでよく受かったな……」美雪は海彩の方に顔を向け、心配そうに見つめる。「で、海彩はちゃんと勉強したのか?」
「ん~。なんかね~、お母さんがお金をたくさん――」
「裏口っ!?」
「まさかのっ?」
「お母さんがお金をたくさん使って、参考書とか揃えてくれたの~」
「なんだ参考書かあ。びっくりしたー」
「いやいや海彩の両親ならやりかねんぞ。最初は勉強用具だけだけど、最終的には学校にお金を使うかもしれん」