ある話の話
牛の首という話があるんだが、それにまつわる話をしようか。
まぁいつもと違う話なんだけどな?
え? その牛の首って話を聞きたいって?
うーん、この話あんまり教育に良くないんだよなぁ。
まぁこの話にまつわる話を聞いてからにしてくれ。
ある教師が社会科見学のバスの帰りにある山の中に通りかかったときにこの話をしたんだ。
話が少し進むとな?ある女の子が言ったんだ。
「先生その話止めてッ!」ってな。
だけどその先生はその話を止めようとはしなかった。
まるでその声自体聞こえていないように話を続けた。
バスの中は徐々に雰囲気が変わっていってな?
まわりの生徒も気付いたんだ。
バスの雰囲気がおかしいって。
でも先生は話を続けた。
ナニカに憑かれたようにな。
そのときバスが急に止まってみんなが悲鳴をあげた。
そこでようやく話も止まった。
崖崩れで道路が崩れていたんだ。
その後すぐに道を変えて山を降りたんだが、もう誰もその話に触れることはなかった。
でもな、バスから降りるときに教師が忘れ物の点検をしてるときにバスの運転手に謝罪されたんだ。
なんで謝罪するのかを教師が質問したら、バスの運転手にこう言われたんだ。
「あの山でその話をするのは止めるように祖母に言われてるんです。その話を知ってる人も今じゃ少なくなってるし、ここら辺の古い民話だから私も忘れていました」
え?怖くないって?
その話を聞かせてほしいって?
調べるのは構わないけど、一つ忠告しとくよ?
その話を知ると 人 が 信 じ ら れ な く な る
それを覚悟しとけよ?