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天才は大人になって少しは落ち着いたようです(中編)

『おぉっと・・・。財布忘れちまった。』


すると彼は、即座に方向を変えると、自作した曲を歌いながら財布を取りに行った。


『俺が財布忘れるとは・・・。感覚鈍ってきたかな。』


そんなことを呟きながら彼が歩いていると、目的地である書店の前に着いた。


ふと見ると、書店の隣にある居酒屋の前で、「それらしい」男が、店員らしき女性を脅していた。


『おい姉ちゃん?俺ら借金の方頼まれてんだけどよぉ・・・。振り込まれてねぇんだよ。もし払わねぇなら姉ちゃんの身体ぉぉぉ痛ぇっ!?何しやがる!?』


『いや・・・俺さ。一応公職の人間な訳で。法律でさぁ。知ってる?あるんだよ?オッサンみてーな人間が、借金取りとかしたらいけないっつぅ法律がさ。』


彼は、先ほどの財布に仕込まれていたナイフで、男の腕を突き刺し、貫通させていた。


『あー。一応言っとくけど、そーいう傷は上に言っても無駄だからさ。こっちには「人が絡まれてたんで守りました」つぅ明確な理由があるんでw』


『・・・チッ』


そう言うと、男は逃げて行った。


『・・・ありがとう・・・ございます・・・』


『あー、いや。大したことないから。』


『いえ、本当にありがとうございます。』


『よくありがたがるねぇ。あ、そうそう。借金なんだけどこれで足りる?』


そう言って彼は、200万円ほどある札束を、女性に渡した。


『えっ!?でも、こんな大金・・・。』


『いいっていいって。実はこの間宝くじで当てたんだけど、使い道がわからなくてさ。お嬢さんにあげるよw』


そう言って、彼は書店のドアをくぐった。


『え?あ・・・あの・・・。』


----------書店内


『さてさて、今日は新刊出てるかな~?』


そう言って彼は、ライトノベルコーナーへと向かった。


       第9話 終

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