社長は本格的に会議を始めたようです(後編)
瀬橋は、丸岡の意見発表が終わった後にも、続けて案を募集した。
だが、どれもこれもピンとこないものばかりだった。
―――そして、1時間が経過した。
どの案も、瀬橋を唸らせるような物はなかった。
『えぇと・・・、それじゃあ、多田さんで最後にしましょうか。』
『あ、はい。えーと、こちらなのですが・・・。』
多田は、自分のPCを見せた。
「萌えポテチ 北海道産アワビエキス使用 シーフード味」
瀬橋は、少し間をおいて、多田にこう尋ねた。
『多田さん…。これは案としては丸岡さんの物に劣らないほど良いです。』
『・・・はい。何かよからぬ所でも?』
『あの・・・。この「シーフード味」なんですけど、もう1つ、魚介類エキスを追加できないですかね?』
『・・・なるほど。もっと豪華にしろということですか?』
『まぁ、そうなりますね。ここにある、エビ、イカ、アワビのみでは、なんというかインパクトが足りないと思うんですよ・・・』
2人が悩んでいた時、1人の女性が手を挙げた。
『あの・・・。』
『はい。水野さん。何かご意見が?』
『はい。最近、注目されてきているもので、「ワカメ」があるのですが・・・どうでしょう?健康にもよさそうですし。』
その社員の発言で、一同の顔は、「そうか・・・それがあったか!!!」のような顔になった。
そして、「萌えポテチ 北海道産アワビエキス使用 シーフード味」と、「萌えポテチ 魚沼産白米使用 米味」は、2週間後に同時発売されることとなった。
第6話 終