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偽りの愛に囚われた私と、彼が隠した秘密の財産〜最低義母が全てを失う日  作者: 夏野みず


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完全に失墜したアイコ

 記者会見から数日後、アイコさんは、完全に孤立した。彼女の周りにいた友人たちは、皆、彼女から離れていった。彼女の虚栄心を満たしていた社交界からも、彼女は追放されたのだ。


 キョーヘー様は、アイコさんが住んでいるマンションに、弁護士を送り込んだ。目的は、彼女が不正に手に入れた株の代金の全額回収。


 アイコさんは、抵抗したという。しかし、キョーヘー様が持つ動かぬ証拠と、弁護士の冷静な対応により、彼女は全ての金を返還せざるを得なくなった。


 彼女は、金だけでなく、名誉も、地位も、そして息子からの信頼も、全てを失ったのだ。


 その日、キョーヘー様は、私にアイコさんのマンションでの様子を教えてくれた。


「母さんは、完全に打ちひしがれていたそうだ。自分が全てを失ったことを、ようやく理解したようだ」


「彼女は、私を許さないと言っていましたけど……」


「もう、彼女には何もできない。財産も、社会的地位も失った。それに、僕が君を守る。もう、彼女の言葉に怯える必要はない」


 キョーヘー様は、そう言って、私を優しく抱きしめた。


 私ユリネは、心の底から安堵した。長きにわたるアイコさんからの苦しみから、私は完全に解放されたのだ。


 数日後、アイコさんから、一通の小さな手紙が届いた。それは、謝罪の手紙ではなかった。


『ユリネ。あなたが、この家に入ってから、全てがおかしくなった。私は、あなたを許さない。いつか、必ず、あなたの幸せを壊してやる』


 憎しみに満ちた、呪いのような手紙だった。しかし、私は、その手紙を読んでも、もう何も感じなかった。


 私は、その手紙を静かに破り捨てた。


「もう、あなたに、私の人生を左右させることはない」


 私は、キョーヘー様と、この家で、新しい人生を歩み始めた。この家は、もう冷たい檻ではない。私たち二人の、愛に満ちた、温かい家になった。


 アイコさんは、その後、人目を避けるように、ひっそりと暮らしているという。彼女が私に与えた苦しみは、全て、彼女自身へと返っていったのだ。


(これが、あなたがしたことへの、当然の報いです)


 私は、キョーヘー様の手を握り、窓の外の青空を見上げた。私の心には、もう暗い影はない。新しい光が、差し込んでいる。

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