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短い詩4
1、果て
青流 空の果て
緑萌 山の果て
碧抱 海の果て
茶晒 地の果て
白無 風の果て
2、虹
雲が晴れて
太陽が顔を出したよ
虹が空にかかる
いつも見ている空が
ちょっと特別に見えるね
3、Aquarium
透明な壁越しに映る
透明な群青の世界
美しく雄大に泳ぐ魚たちの姿
完璧だと思えるほどの生態系
されど 目の前で起きた魚の共食い
あぁ こっちが本来の姿だよな
ちょっと現実を突きつけられる
4、昔日の
昔日の縁の始まり忘れ 人は争う
昔日の暗号解いて 歴史的偉業発見
昔日の遠きあなたを想い 紅染まる
昔日の雪風吹いて 故郷の夢なごり
昔日の話に花咲かせ 故人を懐かしむ一夜
5、色毒
濃闇に照るは美しき貌
艶めかしき肢体にうなじ
匂いたつ仄かな毒香
白毒を塗り 紅毒を差し
黒毒を整え 鮮毒を纏う
明と暗
鮮明なる対比
その女は
美のために 男のために 頂にいるために
色毒を纏い続け 若くして落命した
遺体は近づくだけで 昏迷するほどであった