第4話 「別に変なことはしてないかな」
4人は皇居を出発した後、ベゴニアから預かったタブレットにある地図を参考にし、ホッカイドウを目指して旧東北新幹線の線路沿いを歩いていた。
「それにしても何も出てこないね〜」
両手を頭の後ろで組み、周囲を見渡しながら先頭を歩くひまわりがぽつりと呟く。
その視線の先にはいくつかの古びた民家の他に、木々が生い茂っているだけで他の生物の気配など皆無であった。
「良いことじゃない。機獣って私達の姿を見るとなりふり構わず襲ってくるんでしょ・・・?そんなの相手にしたくないわよ」
ひまわりの言葉に反応したビオラが少し気だるげな声で返す。
その声とは裏腹に、いつでも右腰にある拳銃を抜けるよう右手を添えている。
「それはそうなんだけどさ〜。ここまで何もないと逆に不安というか、これでいいのかなって思っちゃうんだよね」
「ひまわりさんの気持ちも分からなくはないですよ。ベゴニア様からも、道中に機獣がいれば倒してこいとも言われてますし、どれほどの強さなのかは確認しておきたいですから」
タブレットを片手に道を確認しながら歩く桜が優しく微笑む。辺りを何度か見返し、道が間違ってない事が分かるとタブレットを懐にしまい、着物を整えて軽く息を吐く。まだ少し扱いに慣れてないため気を張っているようだった。
「私も機獣の強さは気になるかな。もし勝てない相手なら逃げる方法も考えておかないといけないし・・・」
「ヒガンバナちゃんが勝てない相手とかいるの? 私達がクロカタゾウムシにやられた時だってほとんど無傷で倒してたよね・・・?」
「あれはたまたま相性がよかっただけで、運良く勝てたみたいなものだし、私より強い相手なんて沢山いるよー」
「絶対そんなことないと思うんだけど・・・!」
「あっ・・・! そうだ! そういえばその事でヒーちゃんに聞きたかったんだけど、どうやってあのクロカタゾウムシ倒したの?もしかしたら今後の参考になるかもしれないし!」
ヒガンバナとビオラのやり取りに割って入るように、ひまわりが後ろを振り返り勢いよく話しかけてきた。
ひまわりの問いかけに賛同するようにビオラと桜も口を開く。
「確かに私が起きた時には全部終わってたし、ヒガンバナちゃんとアイツの闘い見てなかった!」
「私も知りたいですね。あのような硬い装甲を前に、どう立ち回れば良かったのかは聞いておく必要があります」
3人の急な反応に若干戸惑いつつ、少し困ったような表情でヒガンバナは話し始める。
「別に変なことはしてないかな・・・ただ、向こうが動けなくなるまで何度も地面に投げつけて、最後の力を振り絞って突っ込んで攻撃してきたから、その力を利用して心臓を潰しただけだよ。・・・あれ?何で皆そんな顔してるの?」
話を聞いた3人は苦笑いを浮かべるしかなかった。




