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千紫万紅〜終末世界に咲く華乙女〜  作者: 東雲大雅
第一章 曼珠沙華

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第一章最終話 「私達なら絶対に大丈夫です!」

「それでヒーちゃんはベゴニア様とどこに行ってたの?」


 4人がそれぞれベットに腰掛けた後、ひまわりがヒガンバナに質問する。


「宮殿の外に出てベゴニア様の華園まで連れて行ってもらったの。辺り一面にベゴニア様の花が咲いてて、すごく綺麗だった! 」


「えぇ!いーなー!私も見てみたかったな〜」


「アタシもアタシも! ベゴニア様の花なんて絶対キレイじゃん!」


 ヒガンバナの話を聞いたビオラとひまわりが、少し興奮気味に喋り始める。

 その様子を楽しそうに見ていた桜が、ヒガンバナの話に付け加えるように口を開く。


「ベゴニア様の花はかつて、世界一美しい花と称されていたほどですからね。(わたくし)もぜひ一度見てみたいものです」


「そうだったの⁉︎ でも確かにそれぐらい綺麗に咲いてたなー。最初見た時びっくりして声出なかったもん!」


 桜の言葉を聞いたヒガンバナが、少し上を見上げ、先ほど見てきた華園の光景を思い出すかのように語る。とはいえその光景はすぐに浮かぶほど、ヒガンバナの脳裏に深く刻まれおり、その美しさを思い出すだけで自然と笑みが溢れるほどだった。


「ヒーちゃんのその顔を見るに、よっぽど凄かったんだね〜!」


「そこでヒガンバナちゃんはベゴニア様とどんな話をしたの?・・・あっ!別に言いづらいことなら無理に話さなくてもいいからね!」


 ビオラがヒガンバナに質問した後、慌てて両手を前に出し手を振る。桜とひまわりもビオラと同じで、ヒガンバナとベゴニアがした会話の内容は気になるが、それを話す事でヒガンバナに少しでも負担がかかるようなら無理に聞かないつもりだった。

 ヒガンバナはそんな3人の優しさを汲み取り、首を横に振るとゆっくり話し始める。


「ううん。むしろみんなにはちゃんと聞いて欲しい。それで謝らないといけないこともあるの。実は・・・・・・」


 そうしてヒガンバナの口からベゴニアと話した内容が語られた。

 クロカタゾウムシとの闘いで3人を守れず後悔していたこと、その悩み自体が独りよがりだった事に気付きベゴニアに諭されたこと、自分達に与えられた能力の使い方、そして何の為に生きるのかを。

 ベゴニアとの会話を包み隠さず全て話したヒガンバナは、その場で立ち上がり3人に向かって頭を下げた。


「ごめん、みんな!ベゴニア様と話すまで私の悩みそのものが、みんなの信頼を疑うことになるって気づけなくて・・・! 」


「ヒーちゃん、顔上げて」


 普段は明るい様子のひまわりが、あまり聞いたことのない落ち着いた声でヒガンバナに話しかける。

 その声を聞き、ヒガンバナが恐る恐るゆっくりと顔を上げた。

 その瞬間、ひまわりがヒガンバナを強く抱きしめた。それとほぼ同時に桜とビオラも同じ様にヒガンバナに抱きつく。


「ごめん、ごめんねぇ・・・! ヒーちゃんに辛い思いさせちゃって・・・! アタシ、もっと強くなるから! 2度とヒーちゃんがそんな事考えなくて済むよう頑張るから!」


 ひまわりが大粒の涙を溢す。ヒガンバナは初めて見るひまわりの涙に戸惑っていた。それにつられるようにビオラも泣きながら、それでも力強くヒガンバナに語りかける。


「私だって・・・! 今度は絶対に負けないからね! ヒガンバナちゃんの出番がないくらい派手に活躍してやる・・・!」


 最後に桜が、皆を宥めるようかのに優しい口調で声をかける。


「ヒガンバナさん、よく話してくださいました。私達(わたくしたち)はどうやら、お互いに少し遠慮していた部分があったようですね。・・・これからは、互いに支え合って生きていきましょう! 私達(わたくしたち)なら絶対に大丈夫です!」


「み、みんな・・・! ありがとう・・・‼︎」


 ヒガンバナも暖かな涙を溢しながら、3人をしっかりと抱きしめる。

 4人にとって、互いの絆を確かめ合う大事な夜となった。



 その後、ひまわりの提案でヒガンバナを連れて4人でお風呂に入り、他愛のない話をする。部屋に戻る頃には、すっかり遅い時間になっており、すぐに就寝の準備をする。

 明日から始まるであろう長い旅路に想いを馳せながら、瞳を閉じる4人であった。

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