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006

 異世界にログインしたら、いつもは日がな一日中読書をして過ごすのだが、今日は久々に出かける日だ。

 このあいだのダンジョンボス攻略のときみたいに、呼び出されることもある。

 今回は、気まぐれというか、たまーに、ちょっとした冒険がしたくなって、素材採集しに行くことにしたのだった。


 召喚ダイヤウルフたちが狩りに勤しむ、通称BOTの森(気づいたらダイヤウルフたちが獲物を掻っ攫って狩っていくので、オンラインゲームの自動ロボット狩りを思わせる)へ入っていく。


 ウィンドエレメンタルのふー太を召喚し、感覚同調をオンにすると、風の動きを感じていく。

 半径300メートルほど以内の、風たちが木々にぶつかりながら流れていく様子がわかる。

 この状態になると、もはや目を瞑っていても歩くことができるだろう。


 そうして歩くうち、獲物を見つけた。

 体格からして、ゴブリンたちのようだ。

 肩慣らしの運動には、ほどよい相手だろう。


 ゴブリンたちへ向かって歩いていくと、ゴブリンアーチャーに気配察知され、矢が次々と飛んでくる。

 飛んでくる矢の、その軌道、風を突っ切ってくるのが丸わかりなので、余裕を持って躱わす。


 ゴブリンアーチャーが、矢を打ち尽くした。

 目を瞑りながら矢を避けてくるのが相手だ、よせばいいのに、ゴブリンたちは短剣を握りしめて、向かってくる。


 リビングソードのケンザキを召喚すれば、今の射撃の合間に瞬殺できていたけど、あえてそうしなかった。

 今回は、少し体を動かしたかったからだ。


 土田さんに打ってもらった剣を構えて、ゴブリンたちを迎え撃つ。


 囲まれた、しかし連携が甘い。

 完全に同時ではなく、時間差で仕掛けてくるので、近づいてきたのから斬り伏せていく。


 俺は、純粋な近接ビルドを選んだ人よりは筋力も器用さも大したことないけど、それでもゴブリン程度を相手取るには十分だ。

 ケンザキを召喚して、手数を増やすまでもない。


 狩ったゴブリンから魔石を取り出して、ウォーターエレメンタルの水野を呼んで、クリエイトウォーターにて手をすすぎ、魔石をマジックバッグに仕舞い込む。

 一連の作業の途中で、またまた近くに沸いたゴブリンたちへ向かうダイヤウルフの姿を認めたりもした。

 あちらの狩りも、瞬殺だろう。


 森を進み、あちらこちらでゴブリンたちの断末魔が聞こえるなか、目的地であるダンジョンへと辿り着く。


 今日は、ダンジョン3Fにて、鉄鉱石を採掘する予定だ。

 鉄鉱石は、土田さんはじめとする鍛治士ビルドを選んだ連中が買い取ってくれるのだ。


 プレイヤー(俺たち転移してきた地球人のことをそう呼ぶ)の作った武器の方が、ショップで買うよりも性能がいいし、安い。

 それに、なんとなく手作業の温かみというのか、せっかくの異世界なのでという感じもするので、メンテともどもご愛顧している。


 ダンジョンに入ると、時間的な都合もあるので、戦闘はスキップ、グリフォンのタカジョーに跨って、最高速度で階層を移動していく。


 3Fは山岳林だ、タカジョーを繰り、採掘場へ向かう。

 採掘場には、背中に鉄鉱石を生やした、鉄鉱石ゴーレムたちがたむろしている。

 

 アースエレメンタルの土井を呼び出し、土魔法の石弾を投射しまくって、ゴーレムたちへ浴びせかける。

 石と石とがぶつかり合い、ゴーレムたちの体表は削られ、やがて剥き出しとなったコアが砕かれると、活動停止。


 あとは、ゴブリン部隊を召喚して、みんなで採掘に勤しむ。

 ゴーレムだった破片の中から、鉄鉱石を掘り出して、集めていく。


 あとはこの繰り返しだ。


 この日は、ささやかだが、よい稼ぎとなった。

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