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王女と謎の者たち

自分が作ったオリキャラを世に出したくて本気で書いた小説です。

異世界でありながら、現代の日本風の街並みがある王国に住まう少女の物語です。

シリアスな展開が多く、時々のギャグ、様々な伏線を描けるよう書きますので読んでくれると幸いです。

よろしくお願い致します。

 とある高台。そこにリリカたちはやって来た。

 王都が見渡せる程の高さがある。

 リカが膝を抱え座っている。その近くにリリカ。


「なぁ。リカ。あいつは必ずぶっ飛ばすから、元気出して」


「無理だよ。母上でさえ敵わなかった相手だ。リリカには勝てっこない」


「......」


 言葉に詰まるリリカ。

 今の状態では勝ち目がない。強くならないと真田をぶっ飛ばすのは難しい。

 焚き火を囲むように座るリナとレオハルド。


「あの2人、大丈夫か?」


「大丈夫な気がする。今はお姉ちゃんに任せる」


「それよりもこれからどうするんだよ?」


 リカから離れるリリカがリナとレオハルドに近づき座る。


「カオスルビーとピースサファイアは私達が持っている。あいつは必ず私らを狙ってくる。それまで少しでも強くならないと......」


「お前の依頼で俺様はピースサファイアを盗んだが良かったのか?」


「多分、大丈夫かと」


 レオハルドとリリカの話に疑問を抱くリナ。不思議な顔をする。


「リナに言ってなかったっけ? レオハルドは私らの仲間だよ?」


「えっ!? お姉ちゃん聞いてない!」


「ごめん、ごめん。まさか、リナがピースサファイアを手に入れに行ったとは思ってなくて......」


 リリカはリナにレオハルドの事を全て話した。 リリーからエターナルエメラルドが真田に奪われたと聞いて、ピースサファイアを狙っていると予想したリリカはレオハルドにメールで依頼していた。

 エターナルエメラルド、カオスルビー、ピースサファイアの事は父親から聞いていて、聖域の扉を開く鍵である事も聞いていた。

 悪しき者に渡してならないと言われていたのだ。

 とある大きな屋敷。辺りは暗く雷が鳴り響く。

 屋敷の中、とある部屋にニュースを見ている男が1人いた。

 男は身長が5~6メートル以上ありそうだ。がたいがよく、筋肉質で巨漢な持ち主。


「どらららら。真田の野郎、王国を乗っ取るとはな。流石はミナカが作った奴だな。なぁー、おい」


 大男の後ろには手錠と足枷をされた犬の耳と尻尾が生えた少女がいた。どうやら捕まっているみたい。


「お前を助けに来る奴なんていなくなるみたいだ。哀れだな。なぁー、夢美」


「私は信じている。リリカが必ず来るって」 


「どららら!」


 高笑いする大男。その笑い声は屋敷内に響く。


「世界の王の娘か! 面白い事を言うなぁ。ならそのリリカとやらが来る事を楽しみにしとくか! どららら!」


 信じていないようだ。リリカが来るとは思っていない様子。

 そんなリリカたちは高台の近くにある森にやって来ていた。

 クラミが先頭に、レオハルド、リナ、リリカ、リカ、スノーの順に並んで歩いている。


「どうやら、この辺りは魔物がいないようです。警戒しながら進みましょう」


 リリカたちは青蘭学園へ向かう事にしていた。そこにはリリカの担任であるみくるがいて、リリカは無事か心配していたのだ。

 高台から青蘭学園までは然程遠くはない。車で10分ぐらいで着くが、車だと見つかる可能性があるから、徒歩で向かうのであった。


「そう言えばさ。そのみくるって奴、強いのか?」


「先生は強いよ。何故ならかつてパパの守護者をやってたみたい」


 レオハルドが聞いてきたから答えるリリカ。


「守護者? リリカの父親って......」


 どうやら気付いたみたいだ。

 そう、リリカ、リカ、リナの父親はこの国を救った英雄であり、世界の王と呼ばれた男。

 そんな彼には10人の守護者がいたという。その内の1人がみくるなのだ。


「見えてきました」


 クラミの声に全員が前を見ると、青蘭学園が見えていた。

 魔物たちがいなく、穏やかな学園であった。

 学生と教師は、理事長のお陰で無事に逃げているため、誰もいない。


「リカ! 着いたみたいだよ」


「うゆ。そうだな」


 あまり元気はないリカ。全身に暗いオーラを出している。

 こりゃー困った事だ。無理もない。母親が真田によって殺されたのだ。しかもその瞬間を翡翠色に輝く瞳で見た。

 この国で最も強いとされる女王が負けた。そんな真田に勝ち目があるのだろうか。

 奴はエターナルエメラルドを持っている。ピースサファイアと同様に持ち手の魔力を向上するのと、複数の魔法を使えるようにする力がある。

 リリカたちは青蘭学園の中に入り、みくるの部屋へと向かう。

 道中、誰もいなく魔物もいない。閑散としている。

 スノーが何故かびびっていて、リナが引いていた。

 リリカはにやりと口角を上げ、スノーの背中を人差し指ですーっと触る。


「ひぃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


 スノーの叫び声にリリカ以外全員が驚く。そんなリリカは大げさだよと言いながら、腹を抱えて笑っている。

 ごちん!

 リカがリリカの頭に向かって右拳で殴る。涙目になり、リリカは頭を両手で抑える。


「痛いよぉ......リカぁ......」


「お前という奴は......」


 怒りながらも呆れる。

 スノーはレオハルドの後ろに隠れて怯えていた。話しかけても無駄のようで何も聞こえていない。

 そんなこんなで、みくるの部屋に到着した。

 リリカが先生いるかぁ?と元気よく言いながら扉を勢いよく開ける。

 みくるはいなく、いるのは見慣れない少女が1人。

 ブドウのように紫色に染まった髪でツインテールしている少女。彼女は常に浮いていた。


「おや? 君たちが来るとはね」


 すぐにリリカたちは察知した。こいつは敵だと。

 緊張が走る。この場にいる少女以外の全員が戦闘体制を取る。

 静かな空気が一気に恐ろしげな空気に変わる。


「誰なの?」


「僕? 僕はマリー・ストラトス・ディアートル。君たちを殺して2つの秘宝を奪う者かな」


 2つの秘宝とはピースサファイアとカオスルビーの事だ。

 これらを狙っているという事は真田の仲間で間違いないだろう。

 他にも考えられるが、この状況だとそう考えるしかない。

 さっとクラミがリカを後ろへ下がらせ、自分が前に立つ。

 すると、2人のスーツ男が現れる。1人はナマズ髭をしたボタンを留めずに着崩れした男の名は狼魏で、もう1人はきっちりと着た少し長髪の男の名は大雅。


「ぎぃははは! そこの獣人は俺の獲物だから誰も手を出すんじゃねぇぞ!」


 狼魏がレオハルドに指しながら叫ぶ。

 大雅とマリーが引き気味なのが分かる。うわ、まただよと思ってそう。

 すると、リナが飛び出して、大雅に向かって刀を抜き振るう。

 大雅は人差し指と中指で刃を挟み止める。

 相当な力があり、腕を動かす事ができない。しかも全身もで後ろへ下がるすらできない。


「お姉ちゃん! ここは私らに任せてみくるをお願い!」


 この場にみくるがいない。何かあったに違いない。それに勘づいたリナはリリカにみくるを探すよう促す。

 リナの行動にスノーも何かに気付く。


「リリカ様、みくる様に何かあったのかもしれません。お探しください! 私たちが足止めしときます」


「分かった」


 リリカはリカの手を掴み、その場を走り去る。廊下の途中でリカはおい、リリ......と言いかけたが途中言葉に詰まる。リリカの表情に気付き、それ以上何も言えなくなった。

 焦っている表情でいるリリカの手を払うリカ。リリカとリカは立ち止まる。

 重い空気が漂う。時が止まりそうな感じがして、犬であれば嫌がるであろう。


「リリカ......お前にとってみくるは大切な人か?」


「......私にとって、先生は家族だよ。親みたいな存在なんだよ......」


 リリカが青蘭学園に通うようになってから、なにかとみくるはリリカを気遣い、他の教師は毛嫌いしていたのに対し、みくるだけが、時には叱り、時には優しくしてくれたり、親のように接してくれたのだ。

 どんなにリリカが野蛮な事をしていても、決してリリカを見捨てる事はしなかった。

 リリカもそんなみくるに信頼しており、だからこそ、リリカにとってみくるは大切な人になる。


「そっか。なら、リリカ急ぐぞ!」


 リカは走り出す。リリカもリカの後を追いかけるように走り出す。

 二人とも、真剣な瞳になっていた。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

次回もよろしくお願い致します。

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