王女と盗賊
投稿が遅れてしまい誠に申し訳ございません。
今後も不定期投稿となりますのでよろしくお願い致します。
サインサルト城。リナは自分の部屋にいた。
そこへリリーが入ってくる。
「リナ」
「......」
リナは窓の外を見ながら黙ったまま。リリーが来た事には気付ている。
「ごめんなさい。貴女に怪我をさせてしまって......」
「別に気にしてない。それより奴は?」
「おそらく、カオスルビーを狙ってバレール火山へいると思うわ」
「そう。お姉ちゃんたちが向かっているだよね?」
リナはリリーの方へ向く。リリーは頷く。
リリカたちはそこへ向かっているのだ。
「なら、次の狙いはピースサファイアか......。私が手に入れるから」
「大丈夫なの? 怪我がまだ癒えてないのよ」
「大丈夫だよ。このままじっとなんてしてられない。奴にきっちり借りは返さなくちゃ!」
リリーは不安になる。母としては心配だ。
娘がまた危険な目に合うのだ。心配になるのは当然な事。
リナは決めた事だから止めたくはない。だが、行って欲しくはない。
複雑な想いで胸がいっぱいになる。
結局、リナは旅に行く事に。母の心配を無視して、王都から東にある雪の大地へ。
スノーヴァ地方。年間の積雪量が多くあり、平均気温がマイナス20℃ぐらいある。
山はあまり少なく、平原があり、草木は枯れていて白銀の世界が広がっている。
リナは寒さ対策の服装で、スノーヴァ町についた。
町も雪に覆われていて、町民たちは雪かきしていたり、雪合戦で遊ぶ子供たちがいる。
リナを見た町民たちは建物に隠れる。怖がっているようだ。
(一体、何が起きている?)
何故、恐怖している。リナは何かした訳でもない。
なのに、怖がって隠れるとか何かなければしない事。むしろ出迎えたりする。
白い着物を来た少し青かがった黒髪の少女が走って来た。瞳は漆黒に見えるが微かに青が見える。
「すみません! リナ王女様」
「スノーホワイト」
スノーホワイト。リリカの側近に仕える妖怪一族の1人。雪女であり、氷系の魔法を扱う少女だ。
スノーホワイトはリナを連れて、家に向かい、中へ入る。
おもてなしをするスノーホワイト。
「何かあったの? 町の人たち、私を見る否や隠れたけど?」
「それはですね。この町は盗賊に襲われて......」
スノーホワイトによると、ついこの間盗賊に襲われたらしい。その盗賊がこの町を支配して、数人の町民を奴隷として使っているようだ。
「なら、私がその盗賊をやっつけようか?」
「とんでもない! 彼らに変な事したら何してくるか分かりません!」
「尚更だね。私は王女。この国の問題を何とかしなくちゃならない」
「リナ王女様......」
リナはスノーホワイトから盗賊の場所を聞き出し向かった。
スノーヴァ町から歩いて西にある森。そこに盗賊たちのアジトがある。
盗賊たちは酒を飲んで騒ぎ立てていた。その真ん中あたりに少し大きめの男がいた。
男は白髪で白い耳と尻尾が生えていた。瞳は銀色していて、髪型がライオンの鬣のようだ。
「人がいい気分でいる時によ。お客さんとはなぁ」
リナがいた。男は座った状態で気付いていたのだ。
「私に気付くとは流石だ」
「おっと、第2王女様が来るとは何用だ?」
「貴方たちを倒します」
「ぎぃははははは!」
高笑いする男。こんな少女がわざわざ来るなんて、馬鹿のする事だろう。
「俺たちを倒す? この数を相手にか?」
盗賊たちは10人ぐらいいる。相手が悪すぎる。
リナはどうするか悩んでいる。
「野郎共やっちまえ!」
盗賊たちは武器を手に取り、リナに襲いかかる。しかし、リナに2丁の拳銃で撃たれる。
全員倒れる。
「へぇ。やるじゃねぇか」
男は立ち上がる。そして、両手に爪状の雷でできたオーラを纏う。リナに一瞬で近づき、右手を振るう。
リナは左手の拳銃で防ぐ。右手の拳銃を男に向けて、炎を撃つ。
炎は男を押してリナから離す。
「それがお前の魔法か......」
「使えないと思った?」
「おもしれぇーじゃん。それだけお前がつえぇって事だよな! ライトニングクロー!」
男はリナに近づく。リナは2丁の拳銃を男に向ける。
「フレイムバレット!」
リナは2丁拳銃から炎の弾を複数撃ち出す。男は全て爪状のオーラで弾く。
「そんなんでこの俺、レオハルドを倒せるかよ!」
レオハルドはリナに真っ直ぐに突撃してくる。
リナはレオハルドが直前に来た時、2丁の銃口を地に向け、炎を撃ち空中へ。レオハルドの背後に回る。
2丁の拳銃をレオハルドの背中に向ける。
「フレイムバスター!」
リナは炎を撃つ。炎はレオハルドに直撃する。
「ぐはっ!」
リナは上手く着地する。
レオハルドは倒れそうになるが右足で踏ん張り耐える。
「てめぇ......」
レオハルドは少し怒りを露にする。
甘く見ていた。リナの強さを。
「この......俺様に......何をした!!!?」
レオハルドは右手の爪を振るい、地面に叩きつけた。その瞬間、雷が周囲に複数落ちる。
リナは少し離れて雷から避ける。
「ふざけるじゃねぇ!!! 人間ごときが最強である俺様に勝てると思い上がるな!!! ライトニングサンダー!!」
たかがの人間だ。最強である獣人族の自分が負けるはずがない。
レオハルドの目付きが先程まで変わり、動物が見せる怒りの目をしている。
(獣人族は怒りやすいと聞いていたが、これ程までとは......だけど、私は負けない)
リナは2丁の拳銃を太股にあるホルダーにしまう。そして、何処からか刀を出現させ、左手に鞘を持ち、右手は柄に添える。右足を前に左足を後ろへやり、少しかがみ、居合い斬りの姿勢をとる。
(パパとの約束で、お姉ちゃんを守ると......だから!)
リナはレオハルドに向かって飛び出す。
「居合一閃......」
リナは少し刀を鞘を抜き、炎を纏う。
「伊南川流......弐ノ型......煉獄斬り!!!」
リナは炎を纏った刀を振るい、一瞬でレオハルドの後ろへ立ち刀をしまう。
「ぐっ!」
レオハルドは斬られ、血が吹き出る。そのままうつぶせに倒れる。
一瞬の事で斬られたのを気付かずにいた。
レオハルドは力を振り絞り、四つん這いになる。
「この程度で俺様が負けると言うなよ!」
リナはレオハルドの方に向く。
レオハルドは立ち上がる。ふらふらになりながらも......。
「これがある限り! 俺様は最強なんだよ!!」
レオハルドの右手には青く光る楕円形の宝石、ピースサファイアがあった。
「ピースサファイア!?」
「近くの町から盗んだ物さ」
近くの町、そうスノーヴァ町だ。その町にある秘宝がピースサファイアなのだ。
ピースサファイアが光出す。
「うおぉぉぉ!!!」
レオハルドは力が上がっているのを感じる。
これがピースサファイアの力。持ち手の魔力を向上させる。
「力が......みなぎるぜ......」
レオハルドの周りの地面が少し割れ始め、小石たちが弾け飛ぶ。
リナは刀を鞘から抜き、咄嗟に構える。ヤバそうな感じがして、少し背筋が凍る。
(この異様な力は何!? ピースサファイアのせいなの!?)
「ライトニング......」
レオハルドは一瞬でリナの懐に入る。
「ショット!!!」
レオハルドは雷のオーラを纏った右拳でリナの腹を殴る。
リナは後ろへ飛ばされ、木々にぶつかる。木々は倒れる。
その後、立ち上がるリナに近づくレオハルド。
「どうだ? 俺様の力は?」
「......別に痛くないけど?」
やせ我慢するリナ。
無傷とはならない攻撃をくらったのだ。苦しく痛々しいはず。
「体はボロボロで立つのもやっとじゃねぇか。そんなんで俺様に勝てるのか?」
「......私がやるべき事は貴方に勝って逮捕する。ただ......それだけ......」
「俺様を逮捕するだぁ? やれるならやってみろ!!」
レオハルドはリナに飛び出して近づく。
リナは1回だけ深呼吸する。瞳を閉じて、刃をレオハルドに向け、炎を纏う。
「ライトニングクロークロス!!」
レオハルドは両手を振るいかかる。
「伊南川流......参ノ型......炎月天貫!」
リナは刀を振り下ろし、炎の斬撃を飛ばす。レオハルドに直撃し斬られる。
(そんな......馬鹿な.....俺様が最......強......)
レオハルドは仰向けに倒れた。
リナは気絶するレオハルドにゆっくり近づき、ピースサファイアを手に取る。
「これは貴方のような悪に渡す訳にはいきませんから」
そこにスノーホワイトがやって来て、リナに近づく。
「リナ王女様! 大丈夫ですか!?」
倒れそうになるリナを支えるスノーホワイト。
「やったよ......」
倒れているレオハルド。それに気付いたスノーホワイトは泣き出す。
「リナ王女様にもしものことがあると、私は! 私は!」
「スノー、貴方は私らの家族。助けるのは当たり前だよ」
「リナ王女様ぁぁぁ!!! ありがとうございますぅぅぅ!!!」
泣き崩れるスノーホワイトを宥めるリナであった。
その後、2人はレオハルドを魔封石で作られた手錠をして、王都へ連れて帰る。
魔封石は魔力を封じ、魔法を使えなくする石。加工が容易で手錠や檻とかに作ることができる。
そんな王都では......。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
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