王女と爆発男
自分が作ったオリキャラを世に出したくて本気で書いた小説です。
異世界でありながら、現代の日本風の街並みがある王国に住まう少女の物語です。
シリアスな展開が多く、時々のギャグ、様々な伏線を描けるよう書きますので読んでくれると幸いです。
よろしくお願い致します。
ここは君たちがいる世界とは違う世界。魔力が満ち溢れており、人々は魔法が使える世界。
君たちにとって夢のような世界だろう。魔法によって空を飛べたり、自然の力を扱えたり、魔物と闘ったりと、科学とは違った便利さがある。
無論、魔法が使えない者もいるため、科学も発達していて、魔法と科学が交わっている。
その世界にある王国。サインサルト王国。サインサルト家が治める国で日本と変わらない面積を誇る。
首都ロックタウン。日本の東京にそっくりの町並み。
町の中心部に大きな城が建っており、サインサルト城と呼ばれている。
その城の近くの森。
1人の少女が走っている。金髪で左にサイドテール、瞳が水色の少女。髪の長さは長く背中まで伸びている。
少女の前に狼や蜥蜴みたいな魔物がいて立ち塞いでいる。
「そんなんで私に勝てるとでも?」
少女は左手に炎を纏う。飛び上がり、魔物たちに近づき左手の拳を振るう。
地面に少女の拳が直撃した瞬間、炎が散って魔物たちを舞い上がらせる。
魔物はその場に落ちて倒れる。
「ふぅ。いっちょ上がり!」
少女は倒れている魔物たちの中の1匹を担ぐ。そして、歩いてその場を去る。
そう、彼女こそ伊南川リリカと言う、この物語の主人公。
ロックタウンの東部。青蘭学園。この町で一番大きい高等学校。魔法科、武装科、普通科に分かれており、中学高校の一貫校。敷地がまるで大学のような広さがあり学生寮もある。
東みくる教授と書いてある部屋。そこに黒髪ロングのみくるとリリカがいる。
「全く、貴様と言う奴は......。王女という自覚があるのか?」
リリカより背が小さいみくるは机の上に倒れている狼型魔物に近づく。
狼型魔物は丸焦げになっていて死んでいる。
「王女? 何の事か分かんないよぉ。先生ぇ」
「私は魔物料理研究家じゃないんだが......。どうしろと?」
みくるは完全に呆れている。
普通、王女は魔物狩りなんてあんまりしない。お遊びでやる事はあるが本格的にやる事はない。しかも、品のある態度をとり、言葉遣いも丁寧な感じになるはず。
リリカにはそんな事1ミリも感じられない。王女なのか?と疑われてもおかしくない。
「料理して食いたいんだけど、一応依頼されたものだからさ」
「依頼? なるほどな。貴様、授業をサボっておきながらクエストしているとはな」
「いやぁー、卒業したいし暇だしねぇ」
この学園は、ギルドのように様々な依頼が持ち込まれてくる。学生や教師はその依頼をクエストと呼んでいる。
クエスト内容は様々で、魔物狩りだったり、ペット捜しだったりと。クエストを成功すると報酬と共に単位が貰える。難易度によって貰える単位数が違う。
「んで依頼主はっと......」
みくるは何もない所から依頼書を出して確認する。依頼書は紙で作られている。
「はいはい。後は私に任せておけ。報酬はまた後でな」
「うん! じゃあな」
リリカは去ろうとする。
「授業は真面目に受けろよ」
「へいへーい」
リリカは去って行った。
「やれやれ」
単位を貰うためには担任の教師に報告する必要がある。だからリリカはみくるに報告しに来たのだ。リリカの担任だから。
所変わって、とある建物。どうやら廃墟したビルだ。10階建てのビルの中、ぼさぼさ頭の男が1人いる。どうやら男はこのビルに逃げ込んだみたい。
(マジかよ......。この人数じゃ、マジやばい)
男は銃を構える。
どうやら、5~6人の男女学生に囲まれていた。学生たちも男も身を潜めている。
(仕方ねぇ。やってやるよ)
そう思う男は拳銃を持ってない左手を学生たちがいる方に向ける。そして男はしゃがんだまま、左手を勢いよく握りしめる。
すると、学生たちのいる所が爆発する。煙が晴れると学生たちは倒れていた。
「ふぅ。悪くねぇな」
男は立ち上がりゆっくり歩く。
ビルの屋上。
男はそこへと逃げて来た。
「何ストーカーしているんだよ? 犯罪だぞ?」
男が振り向くと水色髪のツインテール少女がいた。
「逃がさない」
「有力な情報を得たことだし、逃がしてくれねぇかな?」
水色髪の少女は男に近づく。
男は少女に拳銃を向けて何発か撃つ。少女は全て避ける。
「流石だな。第2王女の癖にやるじゃん」
少女は男に近づき、両手に持ってる2丁の拳銃を向ける。
男は左腕を少女に向けて伸ばす。
「......体内爆発......」
男は左手を握りしめる。すると、少女が爆発する。
少女はうつ伏せに倒れる。何が起こったのか分からずにいる。
(一体、何が......?)
少女は吐血する。
「がはっ!」
「じゃあな。リナたん」
男は屋上の端に立ち、背中から落ちる。
「......ま......て......」
リナは手を伸ばすが届かず。リナはゆっくり目を閉じる。力が抜けてそのまま倒れた状態になる。
その後。警察と救急隊員がやって来て事を済ます。リナと学生たちはとある病院へと運ばれる。
その頃、リリカは授業を受けていた。欠伸して暇そう。
あまり真面目に受けた事はないのだ。退屈な時間を過ごす。
教室は君たちが見ていた景色と何ら変わらない。机と椅子がクラスの人数分あり、教卓も1つあり、黒板も黒板消しもある。
授業を終え、リリカは帰宅する。
マンションの6階。601号室がリリカの住む部屋である。
リリカは中へ入る。誰もいない部屋。閑散とした空気が漂う。リュックサックをソファの上に投げ棄て、机の上にあるリモコンを拾ってテレビをつける。
とあるビルにて交戦があったというニュースが流れる。怪我人がたくさんいる事が言われている。
その時、リナが救急車の中に運ばれる姿が映った。
リリカはリモコンを落とした。その瞳は丸くなり、驚愕している。
妹が事故にあって驚くのも無理もない。当然の事だ。
リリカは急いで部屋から出ていく。何も持たず、焦った表情で病院へ。
これから始まる。彼女たちの物語が。そう、儚くて切ない物語......。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
次回もよろしくお願い致します。