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DIVER(仮)  作者: K-02W
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プロローグ

かなり長くなりました、不定期ですが少しづつ進めます。

 これは少し先、未来の話である。 人はコンピューターやネットワークの発展、それに伴う仮想空間、いわゆるメタバースができたことで自分ではない自分をコンピューターの中で生み出していった。 そうしていつしか昼は少し退屈な現実世界で生きて、夜はバーチャルネットワークの中でアバターとして別の自分になりきる。 そんな時代が到来した世界では誰もがゲーム感覚で第二の自分を満喫していた。 

 しかしながら、そんな華々しい世界の裏側では謎の異変が起きているが、いまだ人々は誰も知らない・・・・・・・・。


「・・・・・今日も退屈だったなぁ~」


 そんなことをぼやきながらてくてくと足軽に帰る女性が一人、彼女の名前は<猫崎 有紗>。 公立高校に通う高校二年生である。 彼女はいわゆる陰キャで学校ではおとなしくしているため、クラスメイト達から認知されていない。 


「まぁこれが私だから、しゃーない」


 そんな風に切り替えながら有紗は帰り道を急ぐ。

彼女は両親と3人ぐらしで平々凡々を地で行く生活をしていて、豪華とはいかないかもしれないがそれはそれで楽しい生活を送っている。 その夜、有紗は1人眠る前に頭にゴーグル付きのヘッドギアを装着しベッドに入った。


「それじゃ、今日も"arisa"としてライブ、頑張っちゃお♪」


 目をつぶりそのまま眠りについたが、次に目を覚ますと夜だというのに明るく、空に線が走り周囲に人がいるではないか。

 ・・・・はなしは10年前に遡る。 日米のある会社が合同で眠りながらにしてアバターとしてネットワーク世界でプレイできる画期的装置"Brain DIVER"を開発した。

 この装置は眠っている間、意識をメタバース内で作成したアバターにダウンロードさせ、もう一人の自分としてメタバース内でゲームにショッピングなど行えるものである。 当時は様々な懸念が挙げられたが今では一家に一台というペースで普及していっている。 そんな世界に猫崎 有紗こと"arisa"はほぼ毎日入っている。


「今日もノリにノッて行こう!!」


 そう叫びながら、彼女はメタバース内に設置されたライブハウスに入っていく。 arisaこと猫崎有紗はこのメタバース内で有名なコピーバンドのボーカルである。 その人気は高いほうで、彼女がライブをすれば多くのアバターがその歌声を聞きにやってくる。


「きょうもarisaの歌を聞きに来てくれてありがとう~~~!! まだまだ行くから応援してね~~!!」


 彼女ことarisaのライブは3時間ぶっ通しで行われていた。


「おつかれさま、arisaちゃん♪ また次もよろしくねぇ~~」

「おつかれさまでしたぁ~♪」


 ライブの後、有紗はその足で原宿エリアで買い物をするために歩いていた、その途中で一体の警備ユニットがある廃工場の中に入っていくのを見た。 

 そこは2年前まである金属加工会社が所有していたホームページだったが、そこも倒産してしまい今ではただのデータの残骸になっている場所だ。


「ここって・・・・もう使われていない場所だよね? なんでここに?」


 有紗は警備ユニットがここに入っていったのが気になってしまい、その後をつけていった。

 廃工場内に入っていくと中には乱雑に置かれたデータがちらほらとあるだけで、ますます警備ドロイドが入っていたのが謎であった。  一歩また一歩進んでいくと廃工場の奥の一画がぼんやりと光っていた。


「なにあれ?」


 好奇心に勝てなかった有紗は物陰に隠れながら光の方へと進んでいくと、そこでは数体のユニットが地面に向かってレーザーを当てて床に穴をあけていた。 


「うそ?! どうして・・・・って何この音?」


 有紗はその光景に驚きながら魅入っていると、上の方から何かの飛行音が聞こえてきた。 有紗は音がする方に顔を上げるとそこには機械の触手が付いた小型の飛行機型ユニットが飛んでいた。 飛行機は少しづつ高度を下げると触手をユニットが明けた床穴に入れていく。


(とりあえず逃げないと・・・・・!)


 有紗は少しづつ後ろに後ずさりしながらその場を去ろうとすると近くに落ちていた鉄パイプに足を取られ「ひゃん!!」と声をあげて尻もちをついてしまった。

 その瞬間、飛行機型ユニットと5体の警備ユニットが赤目の状態でこちらに顔を向けた。


「~~~!!」


 有紗はそれに驚いて声をあげて急いでその場から離れた。 その瞬間5体の警備ユニットが四つん這いの状態で恐ろしく口を開いて有紗を襲いにかかった。 有紗は時折後ろを振り向きながら出口に向かっていくと一体のユニットが壁を伝って出口まで先回りして有紗の行く手を阻んだ。

 有紗はそれに驚き、仕方なく二階に隠れようと思い階段まで走り上っていくと、小型飛行機の機首に取り付けられた機銃が有紗に向けて放たれた。 有紗は辛うじて避けながら2階に上り切った直後、銃弾は有紗の右足に当たってしまった。


「あぐっ!!」


 有紗は撃たれた足を引きづりながら物陰に隠れやり過ごそうとした。 息を潜めドロイドたちが退散するのを待っていたが、2体のユニットが有紗の近くに出てきた。


(誰か・・・・助けて!!)


 祈りむなしく警備ユニットが有紗の前で大きく口を開こうとした瞬間、突然二階の窓ガラスが割れて誰かが入ってきた。 ユニットもそっちに顔を向けた瞬間、ドン!ドン!ドン!と大きな轟音と共に警備ユニットの頭が砕けた。


「誰?・・・・・」


 有紗が問いかけるがそいつは何も言わずにユニットたちに向かっていく。 近くにいた一体に近寄り腰に下げていたナイフを脳天めがけて突き刺し、機能停止。 そのナイフを引き抜くともう一体に向けてみたこともない形の銃を向けて銃弾を放った。 本来ならば避けられるドロイドも突然のことでなすすべもなく頭部破壊された。 これで3体を破壊した瞬間だった、天井に張り付いていたユニットがそいつを壊そうと飛んできたが、少し体を避け逆にユニットの頭を掴んで地面にたたきつけると足で踏みつけ左腕についていたアタッチメントを展開しユニットの頭に向けて銃弾を何発もお見舞いしていく。 

 残り一体は四つん這いのままその場から消えようとしたが大型の銃の撃鉄を引いて構えて放つと体の中心に大きな穴が出来て機能停止した。


「すごい・・・・・」


 そいつがその場を後にしようとした時だった。 突然ダダダダダダダダダダッ!!という音と共に壁や窓が壊されていった。 有紗は身をかがみながら身を守っていると、そいつは銃弾の雨を避けながら物陰に隠れた。


「どうしよう」


 有紗は困り果てていたが、そいつは近くにあった石を遠くに投げた、するとカツンっといった音の方向に機銃が向けられ放たれていく。 どうやらあれは音に反応するようだ。 飛行機ユニットが機銃を撃っている間にそいつは腰の後ろについているパーツを取り出し銃に取り付けていく。 大型とはいえいわゆるハンドガンだったものがライフルに変わった。 そいつは撃鉄を引いてライフルを構えると、狙いをすましたかのように銃弾を放った。 銃弾は飛行機ユニットに大きな風穴を開けて墜落させた。

 少したって周りが静かになると有紗は片足を引きづりながら一階に降りていく。 周りを見渡すと墜落したユニットの上でそいつは何かをしていた。


「あの~~~もしもし?」


 一応声をかけてみたが返事はなかった。 それでも有紗は何度も何度も声をかけ続けた。


「あの~~~・・・・・」

『ちっ! こいつも外れか』


 何回目かの声掛けの時、首の後ろのプラグを引き抜きながら急に話し始めた。


「ひゃっ!!」

『ん? 誰だお前?』

「あのさっきはその・・・・・」

『早くこっから消えろ』


 相手のつっけんな態度に有紗の我慢は限界だった。 何度も声を掛けても無視され、あまつさえ消えろと言われたらそりゃそうだ。


「あのねぇ!! 私はちょっとした有名人なんだよ!! そんな人にそんな態度ってひどくない?!」

『・・・・・・』


 そいつは少し頭をかきながらドアまで向かい扉を開けた。 有紗はその態度にますますイラつきその後についていく。


「ねぇ! ちょっと聞いてんの?!」

『おいこっちくんな!!』


 そいつがそう言ってもすでに後の祭り。 有紗はそいつと共に扉のむこう側へと向かったのであった。

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それとこの作品のタイトルはまだ仮です。 これがいいんじゃないか?というアイデアがあればお願いします。

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