表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

玉響 手毬唄を歌う少女

玉響

それは‥今にして思えば 僅かなひと時 僅かばかりの時間 


その時に小雨が引き留め 

古い寺の境内で着物姿の幼い少女が手毬をつきながら、手毬唄らしきものを

呟くように謡っていた。

「哀れ哀れな比翼連理の者達 幼馴染の恋人達には 加虐な城主が横恋慕 

恋人の若者が出来の良い若者の異母兄 彼、異母兄の瞋恚の炎にも二人は焼かれてしまう

腹黒き城主は男の異母兄の手助けに


彼等、恋人たちの楽しき恋草の日々は ある日に断ち切られて

城主に男は首を晒されて、女は哀れにも城主のもの‥


ああ、哀れなり‥そうして 憎しみの炎を心宿らせて女は‥報復する 

異母兄は諫言でこれまた、首を落とされ 次には敵と内通して

城主の城は敵方に焼かれ‥女も城主も‥もろとも灰燼に 残ったのは 

恋人の形見の手毬と奇妙な人形が一つ それが私」


僕はただ、幼い少女の手毬歌を聴きながら

静かに見つめ‥すると 振り返った少女の目は一つのみ


「あれ‥兄さん 驚かせたみたい きゃはは」少女の姿は消えて


まだ逢魔が時には早すぎる時間 海月の骨のような奇妙な出来事


残った綺麗な手毬が一つ 

銀色の刺繍で出来た毬はまるで探驪獲珠のような不思議で清らかな輝きを放っている。


今度は小雨が大振りとなって遣らずの雨のように僕をまだ引き留めていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ