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愛してました、たぶん  作者: たろ
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ロニーとわたし

ロニーと赤い屋根の白い家に戻ることが出来たのはウィリアム様が捕まって1か月を過ぎてからだった。


ウィリアム様もアイリスもまだ刑罰は確定していない。


わたしはトーマス様に頼んでアイリスに面会をお願いしている。


許可が下りるのは刑罰が決定してからだと言われた。


わたしとアイリスが会ったのは、あのお茶会からだから5か月経っている。

会いたくない気持ちと会って自分の気持ちに決着をつけてしまいたい気持ちが反発しあっていつも揺れている。


アイリスから逃げたくはない。

でも、またひどいことを言われるなら今さら会う必要はないのかもしれない。


でももう二度と会う機会はない。

一生彼女の言葉の呪いから逃げ続けるのは嫌だった。


「シャノン様、またボーッとしてますよ!考え事ですか?」


「ごめんなさい。この5か月、余りにも色々あり過ぎてつい考えてしまうの」


ラウルとアイリスの浮気から始まってロニーの暴行事件、わたしの拉致事件、ラウルとの離縁、侯爵家からの除籍、大学受験、ロイズからの告白。

本当に目まぐるしくてわたしは大事なことを忘れていた。


そう、わたしにとって一番大事なこと。


「ロニー、貴方もそろそろお嫁さんになる頃ではないかしら?」


ロニーは驚いた顔をして固まっていた。


「シャノン様!突然何を言い出したのですか?」


「突然ではないわ。ロニーももういいお年頃を……ん?ちょっとだけ過ぎちゃったけど結婚時期でしょう?

ダンにも言われたのよ。ロニーと一生一緒には居られないんだって。その時覚悟したの」


ロニーは怒った顔で呟いた。


「ダン様、許さない…」


「ロニー、どうしたの?怖い顔してるわよ?」


「シャノン様はわたしが居なくなってもいいのですか?」


「嫌に決まってるわ。でも……貴方には幸せになって欲しいの」


「わたしはまだ結婚を考えておりません。もちろんいずれはしないといけませんが……もう少しだけシャノン様のおそばにいたいのです」


「ありがとう。わたしが大学に入学したら寮に入るか一人暮らしをすることになると思うの」


「はい、シャノン様は寮に入るか誰か雇ってお家のことをしてもらわないといけないと思います」


「ええ、わたしもそう思うわ。

料理は壊滅的だし、洗濯物はなぜか皺くちゃだし、お掃除だけなら得意なんだけど」


「わたしは……

シャノン様の大学にもついて行くつもりです」


「嬉しいわ。でも、婚期が……」


「うるさいです!ここまで遅れたら気にもしません!待たせます!」 


「うん?待たせる?」


「…ッ、コホン!恋人はおります。

彼は年下なので、まぁ、…まだ、……大丈夫……です」

ロニーが真っ赤になりながら口籠った。


「#ええ~__・__#⁈」


わたしは驚いた。


知らなかった。


全く気づかなかった。


いつ?


どこで?


誰と?


お付き合いしているの?


「ロニー!狡いわ。わたしに内緒なんて!」


「どんな人?いつからなの?顔は?年齢は?わたしの知っている人?ねえ、教えてちょうだい!」


ロニーは、恥ずかしそうにそっぽを向いた。


「わたしのロニーが……あげないわ!

ロニー、一緒に大学の近くに部屋を借りて住みましょう!」


「シャノン様……結婚してもわたしはシャノン様に一生雇っていただきますからね!」


◇ ◇ ◇



ちなみにロニーの恋人は、先生の所のお医者様!23歳の成り立てでまだ研修中。なので結婚は後2、3年先らしい。


ではわたし大学の勉強を頑張って飛び級で卒業しなくっちゃ。4年かかる所を2年で終わらせればいいのだから、簡単よね。


そしたらロニーと先生の診療所に戻ってきて、研修させて貰えるわ!


わたしの未来が見えてきた!





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