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愛してました、たぶん  作者: たろ
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ロスワート侯爵様はシャノンを想う④

ロスワート侯爵は、商会の仕事、領地での仕事、さらにウィリアム達に偽薬を販売されて信用を失くしたことでその尻拭いのため走り回っていた。


まだまだやることは山積みだが、なんとか時間を作ってシャノンに会うことにした。


ロバート・ヘンドリー伯爵から一度シャノンと話をするようにと何度も手紙をもらっていたのだが、忙し過ぎて中々時間が取れなかった。


ウィリアムが偽薬や違法薬物を販売したことで捕えるため情報と証拠を集めていた。


またアイリスの動きも常に見張らせてこれ以上シャノンに被害が出ないようにしていた。


アイリスの父親には、圧力をかけてアイリスを放置させていた。


彼女の動きでウィリアムを捕まえるのに一役買ってもらうつもりだ。


そのためアイリスは、ラウルの邸に突撃を繰り返しているのも態と止めなかった。


少しはラウルも痛い目に遭ってもらわないと、と侯爵は思っていた。



そして、とうとうシャノンとの顔合わせの日がきた。


シャノンは結婚式の日、満面の笑みを湛えて、侯爵に最後の挨拶をした。


『ロスワート侯爵様、もう二度とお会いすることはないでしょう、さようなら』


何を言っているのか分からなかった。

シャノンを嫁がせる日に娘から捨てられたのだ。


さらに『ロスワート侯爵様』と言われた時の衝撃は凄かった。


自分は上手くシャノンに話せなかった自覚はあった。成績のことなど心配でつい口調が強くなっていたし、人前で笑顔など見せたことがない侯爵は、いつも仏頂面なのもわかっていた。


何もかもシャノンに伝わっていないのもわかっていたが自分でもどうしようもなかった。


今さら優しい父親になんてなれないしなろうとも思っていなかった。


だが、捨てられた時の心の抉られ方は凄まじかった。


シャノンの美しいウエディングドレスの姿も覚えていない。


ただただ、満面の笑顔のはずなのにシャノンの諦めきった侯爵を見つめる瞳と声が頭から離れなかった。


自分が仕出かしたことが今返ってきたのだ。


この日シャノンを失った。



◇ ◇ ◇


伯爵邸に行くと、客室に通された。


伯爵に説教をされた。

「いい加減素直になれ」


「シャノン嬢はお前に嫌われていると思い込んでいる」


「お前にとってあの娘は駒ではないだろう?大事な娘なんだろう?お前拗れ過ぎて救いようがない奴だな」


と呆れて溜息まで吐かれた。


そして、シャノンが部屋に来た。










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