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愛してました、たぶん  作者: たろ
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ロスワート侯爵様はシャノンを想う②

シャノンには二人の幼馴染の男の子がいた。騎士団長の次男のダンと主治医のロバート・ヘンドリー伯爵の息子ロイズだった。


実は二人からも婚約の打診がきていたのだ。


だがそれを断りラウル・ベルアートにしたのだ。


亡くなった妻のジョアンの遺言だった。


シャノン3歳とラウル6歳の二人は、母親に付いていったお茶会で出会った。


二人はすぐに仲良くなりお茶会で会うたびいつも遊んでいたそうだ。


そんな可愛い二人を見て妻たちは


「大きくなったら婚約させましょうね」


と笑いながら約束したそうだ。


ジョアンが「冗談よ?」と笑っていたけど、そのあと流行病にかかりあっという間に亡くなってしまった侯爵には遺言として心に残ったのだ。



『大きくなったら婚約させましょうね』

と言っていた言葉が忘れられず、ベルアート公爵にシャノンとの婚約を打診した。


まだ3歳で小さかったシャノンには婚約は早過ぎるのではと先方に言われてシャノンが高等部に入る頃にもう一度考えてみようということになった。


ダンとロイズからは中等部の時に婚約の打診を受けたのでそれぞれに妻の遺言の話をして断りを入れたのだ。


だからロイズは、伯爵が中等部の時に婚約者を早めに作った。


伯爵がシャノンのことを諦めさせるつもりだったのだと思う。


ダンのほうは、シャノンの婚約がどうなるか待っていたのかもしれかない。


シャノンとラウルを会わせたが、お互い子どもの時の記憶はなく初対面のような反応だったが、お互いが意識していたのでこれなら上手くいくだろうと、婚約を結んだ。


『お前が出来ることは侯爵家のためになることだ、わかっているな?』


シャノンへ言った言葉にとても後悔していた。


もしシャノンが婚約を嫌がったらせっかくの妻の遺言が駄目になってしまうと焦り、キツい言い方になってしまった。


本当はそんなこと言いたかった訳ではなく、シャノンの好きにさせるつもりだった。


公爵との共同での仕事の話は婚約を結んだ後にお互いに利がある関係であることに気づいて商会を立ち上げ共同で運営を始めた。


シャノンは政略結婚だと思っているが婚約が先でたまたま後から一緒に商会を始めたのだった。


ただ調べてみるとラウルは女性関係に甘く問題があることが分かった。

まだ独身であり若いので多少の女遊びは仕方がないとは思っていた。


ただ結婚後も落ち着くことがなかった。

気になり調べてみると、特定の女性はいないが未亡人や気軽な令嬢と一晩の遊びをしていることがわかった。


さらにシャノンの幼馴染であるアイリスとも関係を持ち、度々会っているという報告を受けた。


アイリスと娘は仲が良いことは知っていた。

別の件で調べていた偽薬の売買をしているウィリアムとアイリスが共に別の違法薬物の販売をしているという情報を得たのでしばらく監視をすることにした。


監視の者から、違法薬物の媚薬をアイリスがラウルに使っていることがわかった。

 

しかも誰もいない執務室で勤務中に昼間、夜間と問わずに抱き合っていたというのだ。

さらに邸に帰らず度々アイリスとお泊まりをしていたと聞いた時ははらわたが煮えくり返りそうだった。


この事は、後に侯爵が団長に報告してラウルは謹慎処分になったのだった。さらに退団されることに繋がった。



シャノンが夜会でラウルとアイリスの会話を聞いたことはロニーから報告を受けていた。


実はロニーも侯爵の不器用な娘への対応を知っていた。


ただ不器用過ぎてシャノンを傷つけている侯爵に腹を立てているので、全くシャノンに侯爵のフォローはしなかった。


捨てられて当たり前だと思っていた。



夜会から二週間後シャノンが公爵家を出て伯爵家へ行っ向かい、そのまま倒れたと伯爵家から報告がきた。


急ぎ伯爵家に向かう。


寝ているシャノンを久しぶりに見た。


痩せこけて青白い顔をして寝ていた。


ただシャノンの顔を震えながら見つめていた。








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