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愛してました、たぶん  作者: たろ
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シェリル夫人のお茶会③

涙が止まらないわたしに、マリアンナ様が

そっとハンカチを差し出した。


「ありがとうございます」


シェリル夫人の話は続いた。


「シャノン、嫌な事を思いださせてごめんなさいね。でもいつかは貴方に伝えないといけないと思っていたのよ。


ベルアート公爵は今貴方のお父様との共同での商会運営もどうなるかわからない状態なのよ。


侯爵家がラウルを切ると言っているのよ、領地が広く鉱山や農地を持っているロスワート侯爵の力が無くなれば公爵家だけでの運営は難しいと思うわ。


これからのベルアート公爵は大変だと思うわ。社交界でも醜聞が広まっているしね」


わたしの知らないところでラウルに色々なことがあっていたみたい。


最近は忙しくてラウルのことを考えるのも減ってきていた。


わたしにはロスワート侯爵様のことは分からない。

彼がわたしなんかのために大事な商会に支障をきたすことなんてしないはず。


政略結婚なのに離縁ということになったので、ロスワート侯爵様のプライドが傷ついたのかしら…


あぁ、ロスワート侯爵様のことを考えるだけでモヤモヤする。


あの人はゴミ屑でしかないわたしのことなんてなんとも思っていないのよ。


一度も会いにも来ないし連絡も来ないじゃない。


またあの冷たい目でわたしを見るんだと思ったら、先生に一度は会って話しなさいと言われたことを、なかったことにしたくなった。


「シェリル?大丈夫?聞こえてるの?」


ハッとなりみんなを見渡した。


「すみません……どう答えればいいのかわからなくて……」


ラウルの裏切りはとても辛かった。


でも彼の夢だった騎士としての仕事を失うなんてどんなに辛いことなのだろうと考えてしまう。


「シャノン、ラウル様に同情は必要ないわ」


シェリル様はわたしの思っていることがわかるのかそう言われた。


「そうね、彼のは自業自得だわ。女性のことをなんだと思っているのかしら」


マイナー公爵夫人もかなりの御冠のようだった。


「わたくし、父にこのことをお話ししましたの」


(マリアンナ様のお父様って……国王……陛下……よね?

わたしは社交界デビューの時にロスワート侯爵様に連れられて一度挨拶をさせて頂いただけなんだけど、緊張しすぎてお腹が痛くなったことしか覚えていないわ。


もう二度とあんな緊張感凄すぎるところなんか行きたくもない!と思ったのよね…… )


「………あの、お父様ってもちろん……国王陛下のことですよね?」


わたしは当たり前のことを聞いてしまった。


「あら?シャノン様ったら面白い人ね。わたしの父は一人しかいないわよ、ふふ」


「マリアンナ様、何をお話しになられたの?」


マイナー公爵夫人は楽しそうに聞いている。


「ふふ、男どもの貞操観念の低さをどうにかしないといけないと思って、騎士団の方たちの訓練所や執務室での女性との不貞を総ざらいするよう提言しましたの。

勿論その後は王宮内の不埒な奴ら…あら失礼、方達にも一度お灸を据える予定よ」


「かなり大掛かりになりますわね」


「ええ、そうなの。お父様も中々いいお返事くださらなかったんだけど、それぞれの部署ごとですれば大丈夫でしょ?男どもいいお灸になるわ、ふふふふふ」


「あの、お灸とは?」


「ベルアート公爵のように退団まではいかないけど、年俸減給とか降格とかそれぞれに合わせてしてもらう予定よ。


今頃お義父様も頭抱えているかもしれないわ!」


「あら、何もしていなければ誰も罰なんか与えられないのよ?誰もいないかもしれないわよ」

シェリル夫人の顔も少し怖い。


「それにね、アイリスちゃんは色々やらかしているみたいなのよ」


「えっと、アイリスがですか?」


「まだハッキリはしていないのよ。あの子なかなかの曲者ね」


ラウル浮気事件から騎士団、王宮の男どもの不貞まで炙り出されるなんて怖すぎる!


まぁ、何もしていなければ堂々としていればいいのだから大丈夫よね、皆さん………


それよりアイリス、貴方は何をしたの?


シェリル夫人もマリアンナ様も、とても鬼のような顔つきです………










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