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愛してました、たぶん  作者: たろ
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わたしの愛する人(アイリス視点)④

シャノンがいなくなったと聞いたのは、庭園のお茶会から一週間経った頃だった。


実家の侯爵家にでも帰っていると思ったんだけど違うらしい。


まぁ、あの侯爵家に帰っても居づらいだろうしね。


わたしもあんな父親だったら絶対帰りたくないわ。


子どもの頃から知ってるけど、いつも怒ってムスッとしているし、シャノンがどんなに良い成績を取っても褒めるどころかまだ努力が足りないと言われるしね。


わたしの両親は、いつも好きなものを買ってくれるし、アイリスは家に居て笑ってるだけでいいっていつも言ってくれる優しい人達。


あんな親じゃなくて本当によかったわ。




◇ ◇ ◇


わたしは、いつものようにラウル様のいる騎士団に差し入れを持って行った。


なのにどうして?


門番の人達に止められた。


「え?ラウル様に会いにきたのよ!通していただける?」


「申し訳ありませんがアイリス・ベンジャミン伯爵令嬢様はお通し出来ないことになっております」


「何を言ってるの?ラウル・ベルアート様に聞いてみてくださらない?アイリス・ベンジャミンが来たと」


「いえ、上の者から何があっても通すなと言われております」


「今まで入れたのにどうしてなの?」



「理由は私達には分かりかねます」


何を言っても通してくれない。


わたしは家に帰って父に今日あったことを伝えて、父の方から通してもらえるように頼んだ。


なのに駄目だった。


伯爵家の父の力を跳ね返すさらに上の力が働いているみたい。


「ラウル様に会いたい」


わたしは直接ベルアート公爵家の邸に行ってみた。


なのにここでも

「お通し出来ません」

「主はただ今ご不在です」

と、何度行っても断られるの。


「わたしは公爵夫人になるのよ!言うことを聞きなさい!」


ほんと信じられないわ。


わたしはラウルの奥様になってこの邸の女主人になるのよ。


覚えてらっしゃい、あんた達わたしが夫人になったら全員首にしてあげるんだから!


わたしを愛してくれるラウル様!


どうして会えないの?

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