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愛してました、たぶん  作者: たろ
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わたしの愛する人(アイリス視点)

シャノンとは幼い頃からの友人だった。人見知りがあり慣れるまで話すのが苦手でいつもわたしの後ろに隠れているシャノン。


イライラするけど引き立て役としては丁度いいのでいつも一緒にいた。


「アイリスって可愛い!」

「アイリスちやんて優しいのね。いつもシャノンちゃんのお世話してるもん」

「アイリスちゃんのお洋服、いつも可愛い羨ましいわ」

「アイリスちゃん是非遊びにいらして」


わたしは優しくて可愛いアイリス。いつも笑顔でみんなからの人気者。

伯爵令嬢に生まれて両親からも甘やかされとても愛された。

二人の兄もわたしを大切にしてくれるの。


この可愛い容姿と笑顔をみんなが愛してくれる。

そう、わたしはみんなに愛されているの。



◇ ◇ ◇



馬鹿にしていたシャノンに婚約者ができた。

ベルアート公爵家嫡男のラウル様。

3歳年上の凄く整った綺麗なお顔で令嬢の中でかなりの優良物件。まさかのシャノンが勝ち取るなんて!


シャノンはラウル様に好意は持っているみたいだけど、人見知りで話すのが苦手で、あまり上手くはいってない様子。


もしかして破談?と思っていたのに、学園を卒業して結婚が決まってしまった。


シャノンは婚約中からわたしに、ラウルに素直になれないこと、好きなのにどうしたらいいのかわからないことなどいつも相談してきた。


その度に優しくアドバイスしてたけど、本当はイライラしていた。


シャノンはわたしに自慢しているの?

上手くいってないなら破談になればいいのよ!


そしたらわたしが婚約者になってあげるのに。

公爵で騎士団の副隊長、かっこよくてどこをとっても最高。


ラウル様とはたまたま街で買い物の途中出会ってわたしから話しかけた。


「ラウル様、初めまして。

シャノンの友人のアイリス・ベンジャミンと申します」


ラウル様はシャノンからわたしの名前を聞いていたみたいで、すぐに打ち解けた。


初めの頃はシャノンのことを話していた。

彼女の好きなもの、食べ物のこと、今興味のあるもの、彼はわたしの話に直ぐに食いついてきてくれた。


お礼にと、お花をいただいたり、時には二人でお茶に行ったりもした。


(もしかしたらわたしのこと気に入ってくださったのかしら?)


二人の会話は楽しくてシャノンのことなんか忘れてしまうことも多かった。



結婚後、なかなかラウル様に会う機会がなくなったわたしは、シャノンのことで話したいと言って、差し入れを持ってラウル様に会いに行った。


騎士団の人たちから差し入れは喜ばれて度々持って行くことでラウル様ともさらに仲良くなれた。


◇ ◇ ◇


偶然騎士の方達とお話ししていたら今夜ラウル様が夜勤だと話しているのを知った。


わたしは夜7時頃騎士団の執務室で仕事をしているラウル様に差し入れを持って行った。


ラウル様は一人で執務室にいた。


「こんな遅い時間にどうしたんだ?」


「ラウル様が夜勤だと聞いて差し入れをお持ちしました」


ラウル様は少し困った顔をされたが、せっかくの差し入れだからと、食べてくれた。


食べ終わったらすぐに帰るように言われた。


「ラウル様にお会いしたかったの」


わたしはラウル様に目を潤ませながら抱きついた。


ラウル様は慌ててわたしを突き放したので泣きながら

「貴方をお慕いしております」

とまた抱きついた。


するとラウル様はゴクっと喉を鳴らした。



そのままわたしを押し倒して貪るように朝まで何度も何度も抱き続けた。



それからは当たり前のようにラウル様に会いに行った。

そして毎回抱かれた。


ラウル様はいつも激しくて何度も何度も絶頂まで押し上げられて身体が忘れられなくなってしまう。


シャノンなんかに渡したくない。


ラウル様はわたしのものよ。



◇ ◇ ◇



夜会でラウル様を庭園に連れて行くと、「愛してる」と言ってくれないとシャノンに全てを話すと言ってみた。


だって抱いてくれてる時、一度も

「愛してる」

と言ってくれないし


「アイリス!」

と名前すら呼んでくれないの。


名前を呼ばれながら抱かれたらもっともっと気持ちがいいと思うの。

愛をささやかれたら溶けちゃう!



「愛してる」


「わたしも貴方を愛しているわ」


(やっと本当のことを言ってくれたのね、嬉しい!)


シャノンに全て伝えなくても愛してくれるのねウフフ



「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」


本当に?


「いつまで待っていればいいの?」



するとラウル様は何度も激しいキスをしてきた。



ラウル様からは見えていなかったけど、わたしのほうからは横の木陰からちシャノンの姿がチラリと見えた。


ふふ、わたしの勝ちよ!



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