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愛してました、たぶん  作者: たろ
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ベルアート公爵

赤い屋根の白い小さなお家で、ロイズとロニーと3人でお茶をしていたら、リーサが呼びに来た。



「いよいよね、い、行ってくるわ」


ロニーは不安そうにわたしを見つめた。


「シャノン様、大丈夫です。ここには頼れる方がたくさんいらっしゃいます!」


「一緒に行こう」


ロイズがわたしの手を握り邸へ向かった。


スーハー、スーハーと大きく深呼吸をしてから部屋をノックした。


「失礼いたします」


「シャノン嬢そこに座りなさい」


先生がラウルとお互い正面を向いて座っていた。

わたしは二人の真ん中にある1人用の椅子に腰掛けた。


ロイズは父である先生の横に座った。 


「うん?ロイズ?君は何でここにいるのかな?」

先生が少し苛つきながらロイズに問いかけた。

「僕はシャノンの兄のようなものだからね。シャノンには誰も味方がいないからそばにいてあげたいんだ」


「ベルアート公爵、息子のロイズがここにいることを許して頂けるだろうか?」


「シャノンがそうして欲しいと言うなら一向に構いません」


「ありがとうございます」


ロイズはにこりと笑ってお礼を言った。


わたしは内心冷や冷やしながらそんな三人を見ていた。


「シャノン嬢、ベルアート公爵から話は聞いた」


「そうですか」


わたしは俯いたまま答えた。一度もラウルを見ていない。


「シャノン、アイリスとのことすまなかった」


ラウルから声がかかった。


「ラウル、アイリスとの事認めるのですね、あの夜会で二人の姿を見てびっくりしました。

まさか二人に裏切られていたなんて思ってもいなかったわ。

わたしとはもうすぐ別れるからとアイリスにおっしゃってましたね」


「あ、あぁ」


「すぐに別れられてよかったですね、わたしはお人形さんでつまらない女だそうですね、邪魔なわたしを捨てられたんだからもういいでしょう。 

これ以上わたしと話すことはないと思います、謝罪は今聞きました。では失礼します」


わたしはすぐに席を立って部屋を後にした。

(ほんとはちゃんと話さないといけないってわかってるの、でもやっぱりこれ以上言い訳も聞きたくないし話もしたくない)


「・・・・シャノン」

小さくわたしを呼ぶ声が聞こえたが振り返らずに部屋を去った。


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