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48エピローグ

「ど、ど、どうしよ~」


「どうしたの? 姉さん?」


俺は突然頭をかかえて狼狽え始めた姉に???となった。


「わ、私、どうせ魔族に殺されるからと、王様に失礼ぶっこいて王宮出奔したの」


「う~ん。奴隷の逃亡罪は……多分、死刑かな?」


「そうよ。王家の奴隷が逃げたりしたら、多分」


シエナが俺の意見に賛同する。


「レオ! 助けてよー」


「……姉さん」


俺は姉の肩に手を置くと。


「……一人でも強く生き抜いてね」


そう言って、姉を見捨てた。


だって、仕方ないだろ?


俺に何ができる?


「あわわわわっ! それがお姉ちゃんに対する言葉? 何とかしてよ! レオ! 強くなったんでしょ?」


「いや、そう言われてもな」


ホント、そう言われてもねぇ。


「レオ! 助けてあげるべきだぞ! レオのお姉さんのことだぞ!」


「そんな~」


困っている俺の前にシエナが進み出て来ると。


「レオ君、この国を滅ぼして、奴隷制をなくそうよ。そうすればお姉さんは助かる」


「え?」


「レオ君、あのね。それならついでに、私の故郷のカリオストロ公国も滅ぼして欲しいな。王様が酷いの。だから私は逃げて来たの。王様のおかげで、い、妹が……」


そう言ったのは受付嬢のシャーロットさんだった。


「レオ! 私の国も滅ぼして欲しいぞ! 私の父様も圧政を強いていて、私、実はレジスタンスのリーダーだぞ!」


今度は俺の元主人で、王女アリスだった。自分の国滅ぼす為にレジスタンスやってたの?


王女様なのに?


だから、変な任務を押し付けられたな。と、言うか、騎士団全員暗殺者だったんじゃないか?


魔族に命を救われたんだ。


「レオ様! 私の里の人間の王も酷いのです」


更に滅ぼす国を増やしたのはエルフの戦士クロエだった。


気のせいかな? 俺の周り、危険思想の政治犯しかおらん。


「ねえ、レオ。助けてよー。このままだと私、死刑なの。いいの? お姉ちゃんが死刑になっても?」


「う~ん」


いや、俺も嫌なんだけど、姉さんの方が悪いような気がする。


「レオ君。フレイヤお姉さんを助けるために、この国を滅ぼしてくれたら、結婚してあげる」


「わかった。シエナ。秒で滅ぼす!」


俺は即答だった。愛するシエナと結婚できるためだったら、国の一つや二つ。


俺、おかしくなってないよな?


「なら、私の国を滅ぼしてくれたら、結婚してあげるぞ!」


「シャーロットの国を滅ぼしてくれたら、もちろん」


「僕も国王の首を刎ねてくれたら、結婚してあげてもいいのです」


「ええ?」


いや、俺はシエナとは結婚したいけど、みんなとは……


それに結婚したいの、俺の方じゃなくて、みんなの方じゃ?


でも、他の子と結婚したら、シエナに嫌われちゃうよな? ここは断るべきだ。


この国、サンテマリノ王国だけ。


「レオ君、わかったわ。レオ君はみんなから愛されているのね。仕方ないね。レオ君は優しいし、強いもんね。私一人で独占していいような人じゃないよね。みんなとも結婚してもいいよ」


「俺が良くない!」


俺が思わず抗議の声をあげると。


「良くないって、まさか、シャーロットのこと嫌いなんて言うんじゃ?」


「そうだぞ! まさか、恩人の筈の私のこと嫌いだったら、ショックだぞ!」


「そうなのです。レオ様が僕のこと嫌いだなんて……僕のことあんなにした癖に」


三人に詰め寄られて、狼狽してしまった。


いや、結婚を考えていたのはシエナだけだけど、みんな可愛くて、俺にはもったいない子達ばかりだ。当然、嫌いな訳がない。


……だけど。


結婚するの?


全員と?


それも、国をたくさん亡ぼすことがセットでついて来る?


「レオ?」


ツンツンと俺の服の袖を可愛い仕草で引っ張ったのは、俺の姉のフレイヤ姉さんだった。


「助けたお礼に結婚してあげてもいいよ」


そう言って、頬を赤らめる。


マジですか!


姉さん! お願いだから正気に返って!


「わかったよ」


とは言うものの、俺はいやいや皆と約束した。


まあ、サンマリノ王国だけ滅ぼして、シエナとだけ結婚すればいいか。


そうすれば、やんわり断れる。


みんな魅力的な女の子だと思うけど、重婚なんて、いけないような気がする。


☆☆☆


「なんでこうなった!?」


俺は気が付いたら、1週間後、周辺の国を全部滅ぼしてしまった。


サンマリノ王国は国王自ら俺にかつての女奴隷処刑の件を謝罪に訪れ、退位して、王位をいきなり俺に譲った。


もちろん、俺には執政のことなんてわかる訳がないけど、この国の執政は事実上奴隷達がやっていた。高級参謀奴隷達が俺に全面的に協力してくれた。


それで、直ちに奴隷制度を撤廃し、職にあぶれた奴隷達に兵士や公共事業やなんやかな仕事を用意した。だが、それに慌てたのが周辺の諸国だった。


奴隷制度撤廃の上、元奴隷が王となったサンマリノ王国は周辺国の脅威と感じたらしく、侵攻して来た。


もちろん、俺が木っ端みじんにした。いや、最近神級符術魔法が使えるようになったら、かなりデカい攻撃魔法が使えるようになったから、戦う前に一発、誰もいないところに魔法を打ち込んだら、勝手に敗走して行った。


後は、サンマリノ王国軍の大将に据えられて、次々と他国を侵略して行った。


侵略だよね? 勝手に他国に軍送るとか、侵略だよね?


だけど、執政は元高級参謀奴隷に任せてあるから、気が付いたら、周辺諸国を制覇することになってしまった。


もちろん、シエナはもちろん、王女アリス、受付嬢のシャーロットさん、奴隷もどきのエルフクロエとも結婚することになってしまった。


姉さんはちょっと、なんやかんやで、誤魔化しているけど、俺の側室に入る算段に余念がない。何とか、逃げ切りたいけど……姉さんしつこい性格なんだよな。


なんで、こうなった?




終わり

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