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43支援職、新たな世界線を作る

「と、言うのが剣聖様から伝えられた未来? だったのではないですか? フレイヤお姉さん?」


「ど、どうして……どうしてあなたが生きて……る……の……シェニー」


私は狼狽していた。仕えていた剣聖アイザック様の予言では、ここで幼馴染のシェニーが処刑されて首を晒されていて、弟のレオが奴隷であることに絶望を味わい……そして最後の止めとして、自分が突然現れた魔族によって殺される。


……そして復讐鬼レオが誕生する、それは暗黒の英雄の誕生の瞬間の筈だった。


しかし、処刑された筈のシェニーは生きており、目の前にいる……レオ達と共に。


「フレイヤお姉さん、あなたはこの国の剣聖様であるアイザック様の予言により、私が処刑されたと思い、更に自身が魔族の手によってここで殺される運命だと知っていて来た。違いますか?」


「ど、どうして? 運命は変わらない筈! 今までアイザック様の予言は一度も外れたことはないのに!」


「姉さん、それより先にやっておくことがある。先にそっちを片付けるよ」


そう言うと突然弟のレオが消えた。いや、レオが高速で移動して自分を担いで移動したことがわかった。


……そして。自分つい先ほどいたところで、魔力の激しい翻弄が渦巻くのが私でもわかった。


そうだった。私はあそこで魔族の手によって殺される運命だった。それはアイザック様の予言通り。いや、通りだった?


「アリス、みんな、姉さんを頼む。俺は葬りそこねた魔族を今度こそ葬るよ」


「うん。頼んだぞ! レオに奴隷、いや人類の運命が委ねられているぞ!」


「レオ君、私なんかのためにありがとう」


「アリス、人類は言い過ぎだろう、それにシエナ、もう気にしないでくれよ」


レオとその仲間がそんな会話をすると突然魔族との戦いが始まった。


「キェェェェェ! せっかくお前の姉を殺していたぶってやろうとしたざますのに!」


「何故、貴様が生きている? お前は魔女エミリーと一緒に死んだ筈だ!」


「ふふ、魔族を舐めないで頂きたいざます。わがはいとエミリーは身代わりの符を身に付けていたざます。ので、たとえ最後の細胞のひとかけらもこの世から消し去ってくれても、一度だけ復活できるざます」


「それで、エミリーという魔女はどうしたんだ? あの女魔族がいなければ、お前なんて中級魔族程度なんだろう?」


ふふふと魔族は意味ありげに笑う。そして、魔族が驚きの事実を告げる。


「わがはいとエミリーは負けの責任をとらされて、合成されてしまったざます」


「何?」


魔族の合成? 何それ? そこまでアイザック様の予言にはなかった。私が聞いたのはここで私が殺されて、弟のレオが復讐鬼として覚醒し、この魔族だけでなく、王国も魔王も、そして周辺諸国の王国、帝国も滅ぼし、奴隷を開放し、暗黒の英雄と呼ばれるようになる。


暗黒の英雄と呼ばれる所以は幼馴染を貴族に殺されたレオは貴族を恨み、奴隷達と次々と革命を起こし、貴族達を次々と処刑していったからだ。


革命に血はつきもの。もちろん、レオのやることはかなり残忍極まるのだろう。


だが、だからこそ、強靭な精神が作られ、魔王すら倒すほどの力を手に入れる。


しかし……運命が変わってしまっている、何故?


「つまり、弱いエミリーはわがはいのほんの一部となって、そのスキルだけがわがはいに宿ったのざます! さあ、今すぐ殺してさしあげるざます! 以前のわがはいとは雲泥の差があることを思い知らせてやるざます!」


「能書きはいい!」


次の瞬間、いつの間に手にしたのか、白く輝く剣を持ち、レオの姿が消えた。


ブシュ―


気が付くと、魔族の四肢は切断され、頭も飛ばされて、胴体も真っ二つだった。


「そ、そんな馬鹿なざます! エミリーとの合成で各段強くなっている上、エミリーのバフを散々持ったのに!」


「進化したのはお前だけじゃない。俺もあれから3人ほどの魔族と戦って、この剣の使い方が良くわかってな」


「キェェェェェ! く、悔しいざます! でも、覚えていろざます! わがはいには身代わりの符があるざます。復活して、今度こそ! わがはいを完全に消しさるには貴様ら人間の聖女でもいなければ無理ざます!」


「聖女ならここに私がいますが?」


「キ、キィェェェェェェェェェェェェエ!!!!!!」


そこにいたのは聖女アナベル様だった。王宮でお見かけしたことがある。


そして、アナベル様の聖魔法で、魔族は綺麗さっぱりと、この世から消し去られていったようだ。


私が放心していると、レオが近づいて来た。


「姉さん、姉さんは自分が死んでしまうことを承知でここに来たんだろ? 奴隷の未来のために?」


「え、ええ、そうよ。でも、運命は変わってしまった。何故あなたはアイザック様の予言を知っているの? 何故運命を変えてしまったの?」


そう、私の疑問。確かにレオが予言を知れば私を助けてくれるかもしれない。実の姉だし、仲はいい。だが、シェニーまで生きているし、そもそも何故レオが予言を知っているのか?


「フレイヤお姉さん。お久しぶりです。私のこと覚えてます? 覚えてないと悲しいぞ!」


「あ、あなたは……アリス殿下」


アイザック様の元でレオ達と修行をしたことがあった。その時、お転婆な隣国の姫がアイザック様に剣の教えをこうた、だが、姫はレオと仲良くなり、アイザック様の教えより、レオと一緒に修行をしていた。だが、何故彼女がここに? そんなことはアイザック様より聞いていない。


「覚えていてくれて嬉しいぞ! フレイヤさんの疑問を教えてあげるぞ! 予言ができるのはアイザック様だけかしら?」


「あ!?」


私は思い出した。アリス殿下のハズレスキル、それは巫女戦士。未来を予言できるが、大きな未来を見ると、話す言葉が古代語になってしまい、内容がわからない、だから意味がないハズレスキル。


……いや、弟のレオは翻訳のスキルを持っている。つまり、アリス殿下が予言し、それをレオが聞いた。


「アリス殿下からの魔法速達便で予言の内容を知りまして、我が教会も少々王に圧力をかけさせて頂きました。何より、無実のシエナさんを害するなど、聖女として許せません」


そう言って、何故シェニーが生きていたかを聖女アナベル様が説明してくれた。


……そうか。アイザック様は未来が変わるかもしれないことを知っていて、あえて全てをレオに委ねた。


だが、これから運命はどうなってしまうのか?


レオの姉、フレイヤは一人呆然としていた。

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