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37支援職はエルフの里を救う5

俺達は途中現れる黒装束の半魔族を倒しながら更に奥へと進んでいた。


このダンジョンには、更に奥があった。


そして、先に広い空洞があり、エルフ達はおそらくそこにいる。


「!?」


「どうしたのね? レオ様?」


「どうやら、醜悪なヤツがまだ1人いるらしい」


どうやらこの先のドアを開けると広いスペースがあり、そこに大勢のエルフの人達が捉えられているぽい。


だが、一名強い魔力と瘴気を伴う者がいて……


そいつはおそらく女性を暴行している。


「行くぞ、クロエ!」


「はい。お願いしますなのね!」


ドアをバタンと一気に開け放つ。


そこで俺の目に入ったモノは醜悪の極地とも言うべきモノだった。


「な!?」


「は? 何ざます? 嘘ザマス? なんで人間がこんなところいるザマスか? なんかの間違いで紛れこんだざますか?」


そこには漆黒の巨躯と見事な帝王ヤギのような角を持つ……魔族だった。


魔族はエルフの女の子を……食べていた。


「貴様、何者だ? それに何をしている?」


「何者? 侵入者がそれを聞くざますか? いいざます。教えて差し上げるざます。わたくしは魔族四天王の一人、ジョシュア。そして……見てわからないザマスか? 決まっているザマス。食事をしているに決まっているザマス、そんなことも人間はわからないザマスか?」


魔族は若いエルフの女の子の目を唐突に抉りだした。


「ひっく、く、止めてください。お、お願いだから」


綺麗な女の子の顔の目を無理やり指で抉りだしてしまった。


歳の頃は俺と同じ16,7歳。


そんな子に……生きたまま。


魔族四天王のジョシュアは生きたままのエルフを食べていた。既に綺麗だっただろう脚はもうない。


「……畜生」


「……俺に力があったら」


エルフの人達は魔族とエルフの女の子から顔を背けて口々に無念を口にしていた。


それに、四天王ジョシュアの他に、もう1人女の魔族がいた。


「あ、あはは!? あーおかしい!」


突然大笑いしたのはジョシュアの隣にいた女魔族だった。


「傑作だよ。今年一番のネタね。何? あんた正義の味方気取り? 馬鹿じゃないの? ジョシュア様に戦いでも挑むつもり? 勝ち目でもあるとでも思ってるの? 笑えるんだけど?」


「おいおい、エミリーそんなにハッキリと言っちゃだめザマス。そういうことはオブラートに包んで言うものザマス」


女魔族は喰われる女の子を観察していた。


相容れない存在だとしても、許せない。例え魔族にとって、人間が食料だとしても、こんなに相手に恐怖を植え付け、痛みを与える必要が何故あるんだ!


人間だって動物を食べる。だけど、こんなマネはしない。


魔族とは決して相容れない存在。それは人間がこいつらの食料だからじゃない!


魔族の感性は人間には許容することはできない!


そう、魔族にとって、人間は等価のものではないのだ。食糧であり、おもちゃであり、嘲り、翻弄して楽しむ弱者に過ぎない。


そして彼女の口からはひたすら俺への嘲りがあった。


「そうですわね、ジョシュア様。私、反省しました。やっぱりジョシュア様は流石です。それに比べてこの人間の男と来たら。ぷぷっ。すみません、やっぱり笑いを抑えきれない、ぷ、ぷぷ」


俺は唇だけでなく、掌もギュと握りしめていた。


揃いも揃って下衆。


「ねえ、君の目、綺麗ざます、それに……」


ぶちゅ


「美味しーざます」


魔族は女の子の左目の目の前で右目を食べた。


くちゃくちゃとジョシュアが咀嚼する音が不快だ。


「魔族四天王ジョシュア。お前らは人間狩をして、何をしていたんだ?」


「まあ、これから死ぬ惨めなお前に特別に教えてやるザマス。50年前から我ら魔族は1000年前の人間の英雄アレックスとの戦いの敗北に対する雪辱に、一計を案じたザマス。英雄アレックス やその仲間だった優秀な才能を持つ者。つまり、お前ら人間が言うところのハズレスキル達を軽んじ、奴隷階級へと落とし、人間の力を封じたザマス。馬鹿なヤツらザマス。ハズレスキルは能力の発現に時間がかかるだけで、本来最強クラスの戦力になる……なのに虐げて、ふひゃひゃひゃ! 英雄がいない上、人間の戦力は半減しているザマス!」


「そうです。我ら魔族は長い時間をかけて、人間の力を削ぎ落とし、魔王様復活と共に、一気に人間の世界を征服して、人間を家畜として飼って、美味な食糧を確保するのです……たまらないでしょう! この知略! 愚かな人間は自身の手で貴重な戦力を削ぎ落としてる! もう笑うしかないっしょ!」


ハズレスキルが虐待されていたのは魔族のせい?


それも、もうじき魔王が復活する?


これが事実なら、各国の王に伝えないと!


だが、その前に……生き残らなければ意味がない。


俺は剣を抜き放った。


「ギャハハ!! 笑いが止まらないザマス! マジでわたくしに戦いを挑むつもりザマスか!」


収納の中で俺は身体強化、敏捷強化、筋肉強化、体皮強化、火の攻撃魔法の符術を展開した。


そして、闘気強化のスキルも発動させる。


こいつは外道でも四天王と呼ばれている。強力な魔族なのに間違いない。


おそらく今まで戦った魔族より遥かに強力だ。


慎重に戦わないと……勝てるのか?


「我が剣は無限なり、我が剣は輝く閃光、我が剣に勝るものなし!」


俺は師匠のアイザックさんから教わった武技言語を唱えた。


武技言語は師匠が開発した技だ。闘気を増して身体能力を増すことができる。


師匠はこの技を単独で編み出した。スキルや才能に頼らず、たった一人の努力で。


「キャハハッ! こいつ何言っているザマスか! ジョークでも笑えないザマス!」


「こいつって無能の上馬鹿なの? ジョシュア様に歯向かうなんて、ごめん、それより笑える!」


ジョシュアと女魔族に嘲笑を受けるが、俺は既に動いていた。


時間にして0.001秒、俺は既に元の位置に戻り、剣を鞘に収めていた。


チン。


剣が鞘に収まる音が聞こえる。


「さあ、今、我輩の爆炎魔法で黒焦げ死体に変えてやるザマス」


「一体どうやってだ?」


俺は意地悪くそう言った。


「何を言って、今、この両腕から爆炎を撒き散らして、え?」


ゴトン、ゴトン。


今、俺が切り飛ばしたジョシュアの両腕が地面に落ちた。


俺の剣術だと、切れ味が良すぎて切られた本人もすぐには気がつかない。


「さあ、一体どうやって俺に爆炎を撒き散らす気だ?」


「キ、キィェェェェェェェェェェェェエ!!!!!!」

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