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元寇を族滅せよ!

この作品は私、魂・導夢と藍沢柚葉ことAIのべりすと様のお力添えをいただいて執筆しています。

メインは藍沢柚葉様、私が微修正を加えての投稿ですので、何か問題が発生しましたら対応します。

練習で作った作品ですので、結構ガバガバで拙い部分もありますがよろしくお願いいたします。

第一話 元寇襲来


私の名は蜷尻 強右衛門 豊久(みなじり すねえもん とよひさ)と申す。

元は薩摩隼人の1武士であったが、今は訳あって筑前・博多城主の護衛として細々と暮らしておる。

時は文永11年(1274年)10月10日、私は城主に呼ばれ屋敷に来ていた。何でも大事な話があるとか。いったいどんな要件だろうか?


蜷尻「殿様ぁあ! ただいま参上いたしましたぞぉ! 」

殿「おお蜷尻どん!まっちょったぞ!」


殿曰く、何でも元寇(モンゴル帝国)なる物が、対馬・壱岐を占領しこの博多に大軍で詰めていると申された。


殿「元寇を打ち滅ぼして欲しい」

蜷尻「して数はいかに?」

殿「ざっと5万が10日後に」


なん・・・だと。ふざけたことをっ!!! 何を考えて居るのか!!!

コチラは年少者を足しても500いるかいないかなのだぞ!

しかし主の命では断ることもできず、「はてさて」と思案していた。

「やれやれどうしたものか」と思案を巡らしているうちに、「んー・・・あっ!」と思い出すことがあったのだ。

そう言えば、昔世話になった御仁が居られたな。その方ならばきっと力になってくれるだろう。

早速私自らその御仁に出向き、合力をお願いした。御仁の名は谷是成。


谷「蜷尻どん!よう参られた!」

蜷尻「懐かしいのぅ!谷どん!元気にしておったか?実は頼みがあって来たのだが聞いてもらえぬだろうか?」

谷「元寇じゃろう蜷尻どん!わしから出向こうと思っちょったから手間が省けたわ!」

蜷尻「かたじけない!礼を言う!」


谷「何をいうちょるか!ワシらは同士ではないか!遠慮するでないぞ!」

蜷尻「恩に着る!ところで、今の博多の様子は如何なものか?」

谷「まぁ慌ただしくはあるのう!商人どもは早々に品々を持ち去っているが、まずまにあわんばい」

蜷尻「そうか・・・なら略奪ばい!どうせ奪われるなら鎌倉の世のため武士のため徴収せなばならんばい!」

谷「うむ、蜷尻どん!まだ間に合うかもしれんたい!早速兵を集めて!品々を奪うばい!」


この鎌倉時代、警察なども無い正に無法地帯。「奪われる前に奪え!」が基本の末法な世である。

私と谷どんは合わせて1000人弱の兵を合力し、品々を回収(強奪)しに向かったのだった。


博多の町に着くと既に火の手が上がり混乱の最中であった。

町の者共は我先にと逃げ惑い、それを先に来ていた武士たちが乱取り(略奪)していた。

蜷尻&谷「皆のもの!今より略奪を開始する!!戦に必要な物資は一品たりとも残らず回収せよ!!・・・民草の生死は問わない!」


「「「応!!」」」


私の言葉を聞き、兵たちは一斉に行動を開始した。町の混乱は収まるどころか激化していくばかりだ。

女子供関係なく、武器を持った者たちに襲われていたからだ。


「キャァアアーー!!!」「助けてくれぇえ!」「誰かぁああー!!」


そんな声があちこちで聞こえる中、私達は当然無視しつつ腰の太刀を抜き放ちながら、この混乱の中で物資を回収しに回ったのだった。

それから3刻(6時間)程たった頃だろうか? やっとこさ落ち着いた(意味深)博多の町。

私は回収した物品を集め、今後について説明をしていた。


蜷尻「聞けぃ!!これより10日後、我らは元軍を討つべく出陣する!!敵の数は約5万。我らは谷殿と合力して1000名いるかいないか。おはんらはどうする!?付いてこない者は今名乗り出よ!止めはせぬ!」


すると、数名が手を挙げた。私は彼等はこの度の戦に反対であり、戦う気概の無い者だと思った。なので私は「ふっ」と鼻で笑い、

「そうか、おはんらは逃げるのだな?」と申した。

そう申したら、彼奴等の中から「黙っておれぃいい!!!」と怒鳴り付けた武士が出てきた。


?「此度の戦、幕府からのしかるべき報酬の対象が「元寇の首」と申されたが、普通の戦では対象首で5両(約40万円)。数で劣る我らに対しての恩賞に対して割に合わない!」


と、高らかに宣言しおった。

我々武士は後の世のボランティアや公務員ではない。「然るべき報酬が無ければ働けない!」と言うのも無理はないのだ。

「確かにのう・・・」と小さい歓声が上がる中で、私はその武士に向かって「では、何故この場に残った?」言った。

その問いに対し、その男は「是成どんに恩義があるからだ!」とそっぽを向いてしまった。

「ならば問うが、お主等は幾らくらい貰えると思うたのかな?」

その言葉に、周りにいた者達はザワついた。

そして、「1両ぐらいか?」と言ったものが居れば、

「銭500貫文を分配かのぅ?」

「いやいや、3000石の所領持ちじゃから5000貫文かのぅ?」

などと好き勝手言い始めた。それを聞いた他の武士たちも同様だった。私は宣言した。


蜷尻「幕府の執権、北条時宗公によれば元寇ひと頭で10両(約80万円)、10人殺れば更に100に上乗せで20が加わる。よって120両(約960万円)、1200貫近くの大戦になるぞ!」


その宣言に皆沸き立った!


「1200貫文だとぉおお!」

「それだけあれば新しい甲冑や家を新調出来るわい!」

「ケチンボ幕府も太っ腹じゃ!」

「「うおぉおおおー!!!」」


こうして集まった武士たちには、報酬に釣られたか結局全員参戦を表明。先ほどの武士も参戦を表明した。


蜷尻「おはんのお陰で皆がまとまったばい!礼を言うぞ!して、おはんの名は?」

谷重政「谷重政と申す。是成どんのいとこじゃ。おいはばかふともん(強い武士)じゃぞ蜷尻どん!」

蜷尻「ほう・・・それは頼もしい!」


こうして皆の士気を高めた私は微かな手ごたえを掴んだのだった。


そして3日後、我々は出陣した。

目指す先は九州最大の港である門司湊。そこが元軍の本陣だと思われるからだ。

道中、我々の他に多数の武士が集められた。その中には、九州のエリート武士である少弐氏や大友氏なども含まれており、私はとんでもない大事だと仕ったのだった。

肥後の御家人の一人と言われる竹崎殿、そして菊池殿とも合流し、我々は急ぎ馬を走らせていた。

山くぐり衆(九州の忍者)によると、既に元軍は対馬・壱岐を占領し、5日後に博多湾から上陸して、襲撃する手はずらしい。

しかし、こちらには地の利を生かし、元軍よりも早く到着できる強みがあった。

我らが先に博多に着陣すれば、元軍が上陸した時には海を渡って戦闘状態に入らざるを得ないからである。


そんな訳で、10月9日我々は博多に到着した。

早速情報収集をしたのだが、元軍は現在博多湾の沿海まで来ているらしく、明日には博多に到着するという情報を得た。

また、近辺の町は当然のごとく武士団によって乱取り(略奪)されており町に残っている民は皆無。草一本もない状態であった。


おこぼれを狙っていた我々は少々ガッカリしたが、そうこうしている内に我々武士団の他にも、筑前国の御家人や他国の有力国人たちの軍勢も続々と集結し、その数はざっと1万を越える軍勢だった。

その中には以前お世話になった津久居 弥三郎 重遠(つくい やさぶろう しげとお)様も参陣しており、私に気付くと声を掛けてきた。


津久居「強右衛門よ!此度は災難であったな!」

蜷尻「お久しゅうございまする津久居殿。この度の戦は初の異国との戦で嬉しさ半分不安半分です。」

津久居「ハハッ。まぁそうなるか。おはんの故郷、薩摩から島津家が参陣すほどの大戦ばい。腕が鳴るのぅ!」

蜷尻「おお!それはまっこと大事ばい!素晴らしい戦になりそうですな!」

津久居「左様!しかし、奴らは九州一の難所と言われる筑後川の神代浮橋くましろうきばしを渡らなねばならん。上陸までに到着することは難しのう!」

蜷尻「ああ・・・、あの厄介な川ですな。残念じゃが、私達で彼らの分の首も頂きましょう」

津久居「ハッハッハッ!蜷尻どんはまっことばかふともんなぼっけもん(豪胆な武士)ばい! では楽しみにしておくぞ?」

蜷尻「はい、お任せあれ」


そして、日は過ぎ10月20日。

遂にその時が来た。

山くぐりの報告によると本日の朝8時頃、博多湾のうちの早良郡さわらぐんに元軍が襲来予定の事。


我々武士団は準備を整え、いよいよ出陣する事となった。

総勢1万人近い武士たちが博多湾を防衛すべく戦闘準備を開始した。

途中、陣内にて休憩を取っていると、一人の武者が息せき切って駆け込んできた。

「伝令!!敵の先鋒隊が湾内に侵攻!」

それを聞いて私は驚いた・・・いや笑みがこぼれた。

私は武士団の士気を上げるべくこう述べた。


蜷尻「皆のものよ聞けぃ!!!ついにこの時が訪れたぞ!!」

すると、


「うぉおおー!!」

「来たれり!」

「やってやるぞ!!」


皆の顔つきが変わった。士気は十分である。

蜷尻「敵戦力はおよそ4万程。しかし、中には漢人(中国人)や高麗人(朝鮮人)と思われる者も多数いるとの事。まず我が隊は少弐氏の部隊らと合力し、上陸した敵に奇襲で迎え撃つ!よいな?」


「「「「「「「「「「応!!!」」」」」」」」」」


そして我々は陣を出て、少弐氏らと合力し襲撃地点へと向かった。

既に多数の敵船が停泊しており、沖合には元軍の船団が既に博多に上陸していた。

我々は馬を走らせながら元軍を見つめていた。

博多に上陸した元軍は、最初に船上から矢弾を放つ戦法を取ったようだ。

次々と弓矢による攻撃が開始されて、上陸しつつあった味方の部隊にも損害を受けている程であった。

武士たちの怒号が聞こえてくる。


「怯むな!進めぇええい!」

「弓隊放て!放て!」

「掛かれ!掛かれ!」

「おおお!!!」


私ははやる気持ちを抑えて無事に襲撃地点にたどり着いたのであった。

作戦通り、少弐氏ら侍大将率いる300人の小勢が先頭に立ち、他の武士たちは少し距離を置いて配置についた。

私達は静かに、ただひたすら突撃の機会を待った。

やがて、再び怒号や悲鳴が上がった。時刻は12時を過ぎたころであった。

我々は敵側の新兵器「てつはう(古代の手りゅう弾の一種)」の爆音や威力に少々押されていたものの、何とか持ちこたえた。

やがて、元軍はしびれを切らしたのか、上陸を強行し始めた。

「来たれり」と私はほくそ笑んだ。


此度の戦法は敵が大群で攻めてきた場合、わざと撤退し、細い道に誘い込んで四方八方から強襲する手はずだったのだ。

何も知らない元寇は意気揚々と進軍し、自ら罠に入っていった。

そして、


「今だぁあああああ!!!族滅(皆殺し)じゃああああああああああああああ!!!!」

「「「「「「「「おおおおおお!」」」」」」」」


我々武士団と元軍との戦いが始まった。元軍に動揺が走った。

「なんだ?何事だ!?」

言葉は分からないが恐らくそう申すと、まず元軍の先頭と最後尾にいた武将らしき男があっさりと討ち死にした。


「ぐわああっ!」

「おいどうなっている?」

今度は数名の敵将が倒れた。

私はこの大混乱に乗じ、部下たちと共に敵陣左側面の敵に合い掛けた。

「おぬしら、行くぞぉお!!」

「応!!!」


そして、私は名乗りを上げそれに部下たちも続いた。

蜷尻「我こそは筑前・博多城主が家臣、蜷尻強右衛門豊久なりぃいいいいいいいいいいいい!」

「「「「「「おおお!」」」」」」」

「「「「「「我ら蜷尻武士団が相手じゃ!」」」」」」


私は敵を切り裂きながら突き進んだ。途中弓矢が甲冑にかすり、

「蜷尻殿!危ない!」と誰かの声がしたが、私は構わず前進を続けた。


蜷尻「雑魚は捨て置け!狙うは元寇の兜首じゃあああああああ!!」

「「「「「「おおお!」」」」」」」


敵の武将の一人が叫んだ。

「囲め!囲んで叩け!!」

しかし、

蜷尻「邪魔をするな!どけい!!」

「うぎゃあああ!!」

私は敵の兵を次々と切り捨てていった。

私の部下達も奮戦し、たちまち辺り一面血の海となった。


「なんじゃあのばかふともんは!?」

「流石蜷尻どん!おいらも遅れるな!怯むな!とにかく殺せ!」

「弓を構えよ!放ちまくれい!!」

「応!!」


しかし、元軍は無抵抗ではなかった。

「矢を放て!」

「弓隊構え!放て!」

「放て!放て!」

なんとか混乱を立て直そうとするものの、


蜷尻「弓矢が怖くて武士なんかやってられるか!族滅じゃああああああ!!!」


「うわああ!」

「退けぇええええ!!」

元軍は散りじりとなって船や陣地へ逃げ始めた。

我々も追撃戦を行い、ようやく元軍を殲滅したのだった。


夕暮れの18時頃、こうして博多の戦いは終結したのであった。

元軍は700名弱ほど討ち取られ、500人ほど逃げたようだったが、元寇らの博多の町を荒らし回った罪は重い(え?)。

我々は生き残った者を全て捕らえ、死体と合わせて元寇の首を取ろうとした。

しかし、

「元寇の首が全くもってなか!」

と私の配下の一人が言った。


私は何かの冗談かと思ったが確かにその通りだった。

なんと彼らの大半は元寇より連れてこられた奴隷だったのだ。

こちらにも数十人の犠牲が出ている中、私たちが討ち取った首は全て漢・高麗の物であった。

結局、捕虜は全員奴隷にし、首級も全て焼いて灰にした。

こうして、私の初陣の結果は剥ぎ取り以外で収入0というクソミソな結果に終わってしまったのだった。


その日の夜、私は海に向かって叫んだ。

「首おいてけー!元寇ー!」


――

――

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