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セキセイインコの叫び
音のしたほうに目をやると。
黄色と黄緑色と赤色の模様がきれいに混じったインコが本棚の上の籠のなかにいた。
「え、インコ...」
俺がそう呟くと。
山野井さんは、
「なんか、作ってもらおうと思ったけど、
カップラーメンでいいや」とキッチンにいて。
それから振り返って俺に笑顔を向けた。山野井さんがお湯を沸かそうとして、
ケトルを火にかけた時だ。
キンキン声が、俺の耳に聞こえてきた。
「大好きなの...!素直になれなくてごめん...!!」
俺はソファに腰掛けさせてもらって彼女の背後姿を見ていたのだが、
バッとインコのはうに向き直った。
「え、このインコ喋れるの...?」