1/16
俺にだけ塩対応な美人上司を彼女宅で介抱してたら、セキセイインコに愛の告白をされた件。インコ「し大好きなの!素直になれなくてごめん!」俺「ちょっとこいつ何言ってんの...!?!?」
俺の名前は山吹シンジ。今、25歳のシステムエンジニア。
本日俺は。
東大卒の無能上司に俺が提案したアプリ企画を独り占めされ、挙句、社長と仲良しなそいつによって会社を追い出され、ま、つまりクビになり。
ただ今、スーツのポケットに両手を突っ込みつつ、大変ふてくされた状態でボロアパートまでの道のりを帰る途中だった。
ヤケ酒も少し煽っていた。
だからまぁ、少し酔ってはいたんだ。
ま、千鳥足ってほどじゃないけど。
と、そこへ。
なんか、電信柱によりかかる人影が目に飛び込んできた。
眼を凝らすと。
なんか、月明かりと、ちょっとした
街路灯の灯で、どこの誰だか、分かった。
俺がもっとも苦手とする女の人だった。
この世で。
俺が距離を置きたいタイプの女はいまのいままで、なんと、ふたりいて。
そのうちのひとり。
クビになった会社の美人上司だった。