オルハリウムの日記2
『 その後、私は神官長にまでなった。
何故なら、前任の神官長が忽然と姿を消してしまったからだ。
さすが神官長を務めるだけあって、中々に高い魔力を備えていた。
まぁ、メインの前の前菜と言った所だろうか。
ああ、早くこの手でオミサヤの心臓を掴み取り
思う存分貪り食いたい。
早い所、今の状況から開放されたいものだ。
自分より低俗の輩に傅くのは
さすがに気が滅入るからな……。
しかし、オミサヤの力を安定させるまでは
まだ少し時間を掛けなくてはならない 』
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『 少しばかり気がかりな事があった。
オミサヤの母、王妃キヨウだ。
王と同じく術を掛けようとした。
だが、全く掛かる素振りを見せない。
まぁ、術の掛かりにくい人間は居るものだからな。
ただ、私を不審がっているのは
あまり歓迎できるものではない。
あの万物の力を持った少年の時のように、
邪魔をされる恐れがある。
この前も、オミサヤに近づこうとして寸前で阻まれてしまった。
さて、どうやって懐柔させよう。
いや、それは必要ないか?
此方にはムエイと王がいる。
いざと言う時は、この二人を使えるかもしれない 』
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『 二番目の子供、リュウキは
この頃、更に私を恐れるようになった。
あの、私を見る目。
あれには見覚えがある。
そう、私の本性を知った時の人間の目だ。
もしかして見られたのか?
心臓を食らう時
少しばかり注意力が散漫になるからな。
これからは気をつけなければ。
しかし、どうしたものか。
あの子供、他人に言ったりはしないだろうか?
永遠に黙らせるか?
いや、今はまだまずい。
リュウキは、ムエイよりも次期王に近いと言われている。
リュウキが居なくなれば
好きに動く事が困難になる可能性がある。
ただ、注意はしていよう。
見張っているのだ。
おかしなマネはしない様に…… 』
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『 少々、王妃の動きが気になる。
以前にも増して
私に対して警戒心を持っているように思う。
理由は分かっている。
恐らくリュウキだ。
リュウキが私の本性をばらしたのかもしれない。
少しばかり厄介だ。
オミサヤに一番近い者。
それは、母親である王妃キヨウだ。
ここは、キヨウをオミサヤから離しておくべきかもしれない。
何か手を打たなければ…… 』