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異界の旅人  作者: ろーりんぐ
《第一章》
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オルハリウムの日記2

『 その後、私は神官長にまでなった。


  何故なら、前任の神官長が忽然と姿を消してしまったからだ。


  さすが神官長を務めるだけあって、中々に高い魔力を備えていた。


  まぁ、メインの前の前菜と言った所だろうか。




  ああ、早くこの手でオミサヤの心臓を掴み取り


  思う存分貪り食いたい。


  早い所、今の状況から開放されたいものだ。


  自分より低俗の輩に(かしず)くのは


  さすがに気が滅入るからな……。


  しかし、オミサヤの力を安定させるまでは


  まだ少し時間を掛けなくてはならない 』



 ~次ページ~



『 少しばかり気がかりな事があった。


  オミサヤの母、王妃キヨウだ。


  王と同じく術を掛けようとした。


  だが、全く掛かる素振りを見せない。


  まぁ、術の掛かりにくい人間は居るものだからな。


  ただ、私を不審がっているのは


  あまり歓迎できるものではない。


  あの万物の力を持った少年の時のように、


  邪魔をされる恐れがある。


  この前も、オミサヤに近づこうとして寸前で阻まれてしまった。




  さて、どうやって懐柔させよう。


  いや、それは必要ないか?


  此方にはムエイと王がいる。


  いざと言う時は、この二人を使えるかもしれない 』



 ~次ページ~



『 二番目の子供、リュウキは


  この頃、更に私を恐れるようになった。


  あの、私を見る目。


  あれには見覚えがある。


  そう、私の本性を知った時の人間の目だ。


  もしかして見られたのか?


  心臓を食らう時


  少しばかり注意力が散漫になるからな。


  これからは気をつけなければ。




  しかし、どうしたものか。


  あの子供、他人に言ったりはしないだろうか?


  永遠に黙らせるか?


  いや、今はまだまずい。


  リュウキは、ムエイよりも次期王に近いと言われている。


  リュウキが居なくなれば


  好きに動く事が困難になる可能性がある。




  ただ、注意はしていよう。


  見張っているのだ。


  おかしなマネはしない様に…… 』




 ~次ページ~




『 少々、王妃の動きが気になる。


  以前にも増して


  私に対して警戒心を持っているように思う。


  理由は分かっている。


  恐らくリュウキだ。


  リュウキが私の本性をばらしたのかもしれない。


  少しばかり厄介だ。


  オミサヤに一番近い者。


  それは、母親である王妃キヨウだ。


  ここは、キヨウをオミサヤから離しておくべきかもしれない。


  何か手を打たなければ…… 』





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