ある男改め、オルハリウムの日記1
無題と言う題名から、ちゃんと題名が付きました。
ある男の正体が知れましたからね。
『 キサイ国、これがこの国の名前だ。
そして、私の目的である万物の力を持った子供は、
この国の王の娘であった。
私はこの国の王、ロウガに術をかけた。
少しづつ少しづつ、周りに怪しまれぬように 』
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『 王には、万物の力を持った子供の他に
二人の子供がいた。
一番上の息子、ムエイ。
二番目の息子、リュウキ。
そして万物の力を持つ、オミサヤの三人。
その中でも、ムエイは私に良く懐いた。
どうやら私のこの顔の傷が役立ったようだ。
ムエイは病弱だそうで、
周りから疎まれていると思いがちの子供だった。
お陰で、顔に傷のある私に親近感が湧いたのだろう。
何の力もない、食う価値のない人間に好かれるのは、
あまり良い気分ではないが、
オミサヤの心臓を手に入れるまでは、我慢するとしよう 』
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『 オミサヤの母、キヨウは、
この世界の人間には、あまり無い容姿をしていた。
白髪に紅い瞳。
そして、中々の魔力の持ち主だ。
何でも、かつてその瞳は、
魔眼と呼ばれ、恐れられていたそうだ。
しかし、三眼神などと呼ばれる神により、
その瞳の力は封印されたのだと言う。
神などという存在は、私は信じない。
何故ならば、私が神をも超える存在だからだ。
もし、神が本当にいるのなら
是非、私の目の前に現れて欲しいものだ。
神の心臓
一体どれほどの力が手に入るのか楽しみだ。
こんな事を思っていると周りの者が知ったなら、
一体人々はどう思うのだろうな?
何故なら私は、この国の神官なのだから…… 』
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『 二番目の息子、リュウキは
どこか私を恐れている風である。
恐らく、この仮面が怖いのだろう。
一度、この仮面をとって見せてやりたいものだ。
きっと、その顔は恐怖に彩られ
心臓も美味くなる事であろう。
リュウキは、長男のムエイと違い
そこそこ魔力も備わっている。
リュウキは食う価値のある人間だ 』