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異界の旅人  作者: ろーりんぐ
《第四章》
45/107

無題5

 (ある男の日記)


 『 私はその魔術師に会った。

 

   何の変哲もない、ただの少年に見えた。


   だが、その内に秘めた力は計り知れない。


   何でも“万物の力”というものを授かった者らしい。


   何にしても、どれ程の力が得られるのか、楽しみだ。



   まずは信用させなくては、


   あの旅人が主にしたように――― 』



  〜次ページ〜



 『 その少年は意外なほど素直で、直ぐに私を信用した。


   そして、その少年はいやに人に好かれる人物であった。


   これも“万物の力”の成せる技なのだろうか?



   その少年の元には、様々な人間が集まっている。


   これならば、私が入り込んだとしても怪しくはないだろう。



   心臓を喰らうのは、もう少し信用させてからだ。


   散々信用させた後で、裏切られた者の心臓は、


   絶望と恐怖に彩られ、格別の味となるのだから 』



 〜その後、少年との日常が書かれており、始終「退屈」という文字が見受けられる〜



 『 今日、少年の近くにいる者に怪しまれた。


   一体何がいけなかったのだろう?


   だが、そろそろ頃合であろうか……。


   少年は、十分私を信用している。


   明日、決行しよう――― 』



  〜次ページ〜



 『 何という事だろう。


   あの、私を怪しんでいた者に邪魔をされた。


   おかげで、少年を直ぐに殺してしまった。


   絶望と恐怖を植えつける事が出来なかった……。



   変わりに、その邪魔をした者をいたぶる事にした。


   だが、その者は最後まで私を睨んでいた。


   私は、そいつの心臓を喰った後、


   ゆっくりと少年の心臓を喰らう事にした 』



  〜次ページ〜



 『 すばらしい!


   実にすばらしい!


   何という力、何という知識の宝庫!


   “万物の力”とはこれ程までに素晴しい力なのか。



   だが、何故だろう?


   この胸に残るしこりの様なものは……。


   少し長く居過ぎたのか?



   あの瞳のせいだ。


   最後のあの少年の瞳。


   あれは、私を哀れんではいなかったか?


   死んでゆくのに、恐怖ではなく、私を哀れんでいた。


   それに、声を出す事に出来ない少年は、最期、何かを言おうとしていた。


   少年は一体、何を言おうとしていたのだろう?



   だがまぁいい……。


   主よ、私は漸くあなたを超えた。


   だが、まだ足りない。


   あの旅人は、あれからどれ程の心臓を喰ったのだ?


   恐らく、あの頃以上の力を得ているのに違いない。


   もしかしたら旅人も“万物の力”を持った者の心臓を喰らったかもしれない。



   だとしたら、また探さねば、その“万物の力”を持った者を――― 』





 漸く、万物の力の事が出てきました。その力が人を惹き付けるのか……。

 そもそも、そういう人間に力が宿るのか……。早夜が人気の理由かもしれません。

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