無題2
(ある男の日記)
〜隣人の心臓を食べたという次のページ
その後のページには所々に黒いしみが見受けられる〜
『 何か私は 間違っていたのだろうか?
私は 隣人の心臓を 食べた
あの 旅人の 言う通りにした
それなのに
魔力も 知識も
ほんのちょっと……
でも ほんのちょっとだけど
手に入れることが出来た
それならば
私は もっとたくさん
心臓を食べればいい
もっと もっと
心臓を食べれば
私は いずれ 主のような
りっぱな 魔術師になれるだろうか? 』
〜これから先血生臭いことが延々と書かれている〜
『 私は それからたくさんの心臓を食べた
まだ 主には程遠いが
普通の人間よりは
魔力も知識も
格段に上がっていた
そして 多くの心臓を食っているうちに
私は ある事に気付いた
魔術師など
強い魔力を持った人間の方が
心臓を食ったとき
普通の人間よりも
得られるものが大きかったことだ
それで分かった
これからは
魔力を持った人間の心臓を食べよう
さて 魔力を持った人間は
どこにいるのだろう? 』