オルハリウムの日記3
長いこと放置してすみません。
『 何てことだ!
王妃に、キヨウに先手を打たれた!
子供に逃げられてしまった!
キヨウをオミサヤから離すべく
手を打っている最中であった為、対応が遅れた。
キヨウがオミサヤとリュウキを連れ、
侍女と共に姿を消したと知らせが入ったのだ。
私は急ぎ、兵士を引き連れ行方を捜した。
そして、見つけた時には全てが遅く
私はこの王妃を侮っていたと
自分の事を過信しすぎていたと思い知った。
あの女は、オミサヤを別の世界へと逃がしてしまったのだ。
まさか、界渡りの術が使えるなどと思いもしなかった。
それに……
何なのだ、あの女の目は?
あれが魔眼?
あの女は自分の魔眼の力を解放したのだ。
あの女の目を見た瞬間
私は力を奪われ動けなくなった。
そして、私の周りに居た兵士は全員死んだ。
私が死なないのを見て、キヨウは最初驚いていたが
直ぐに何か納得したようだった。
それからあの女は
私が追跡できぬよう、全ての痕跡を消し去った後
自身を封印したのだ。
恐らく、この封印を無理に解こうとした途端
この女は死ぬ。
それでは駄目だ。
オミサヤの居場所を聞きだす事は出来なくなってしまう。
何と腹立たしい事だろうか。
こんな屈辱は初めてだ。
今すぐ、この世界諸共この女を消し去ってしまいたい。
しかし、私はそれはしない。
チャンスを待つのだ。
家族の絆は強いと聞いた。
もしくは、
あちらから親恋しさに戻ってくるかもしれない。
ここはじっくりと待つとしよう。
その間に、キヨウの封印を説く方法を考えるのだ。
それと、一つ気になる事があった。
あの女の魔眼に対抗しようと
私は魔法でムエイを呼び出し盾とした。
案の定、キヨウは動揺していた。
しかし、何故だろう。
ムエイは魔眼が効かなかった。
一体どういう事だ?
体質であろうか?
どちらにしろ、このムエイを使えば
キヨウの封印が解けた時
魔眼の対抗策となるかもしれない…… 』