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策士と朝食












「昨日思ったんですけど…上官殿、なんか…ちょっと老けました…?」

「ああ、日に日にやつれて尚且つ眉間にはシワが増えたよ。今まで本当に顔見てなかったんだね。悪い意味で百面相していて面白かったのに。」







私は昨日の舞踏会を振り返りながら朝食を食べるロッドさんに話しかけた。






上官殿はなんというか疲れた顔をしていた。

げんなりというか、うんざりというか…確かにロッドさんが言うように眉間にしわがより、ダンスもたったの一度踊っただけで下がってしまった。

エレナ様はまだ踊りたそうだったけれどそれほど抗議せずに彼女は他のゲストと会話し、時折ダンスを楽しんでいた。




「貴族や王族の方ってあまり同じ人とは踊らないんですね。」

「ん?ああそうだね。」



そういうものなのか、とどこか納得した。

なんだ、私が知らなかっただけで舞踏会に出るのって本当にたいしたことではないらしい。



「悩んでた私が恥ずかしい…」

「いやー、面白かったよ。」



ああ、くそ…やはりロッドさんはロッドさんだった。

いい人だと思ったのは間違いだったのかもしれない。

グサッとサラダにフォークを突き刺す。

品もなにもなく私は口の大きさよりもはみ出すほどの葉っぱを貪った。



「早くこの任務終わらないかな…」

「おや、二番隊に戻る気になったのかい?」

「え、三番隊に残る云々も冗談だったんじゃ…?」

「あれは本気だよ。うちの隊員だって君がいる方が喜ぶ。」



珍しくがらんとした食堂で私たちは二人、他の人より早い朝食をとっていた。

今日の公務は朝からだ。

姫様とエレナ様の絡む公務は今日を含めてあと4日ほど。

彼女自身はまだ一週間と少しいるけれど、もうたいして苦じゃない。



「でも、まずダニエルが許さないだろうね。」

「ああ、わかります。」



そうだ、上官殿は心配性だった。

私の交友関係やらだって心配していたし、今回は三番隊に来てから上官殿になんの報告もしていない。

だから彼は私が三番隊で上手くやれているということすらも知らないだろう。



「君たち二人は本当に見てて飽きないよ。」

「心外です。」



私は無愛想に言った。













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