家族の絆
その後、無事検診も終わったところで私の旦那や歩さんの旦那さんとの二ヶ月検診まで、という約束通り、歩さんは自宅へ帰りました。
今日から旦那さんと2人で育児をするのだ、と思っていても妊娠中の事を思い出し、何もしてくれないのではないか、1人で夜中のペイちゃんとの夜泣き戦争に挑まなければならないのではないか、と初めて1人でする育児に対しての不安がとてもあったようです。
そして、旦那さんは帰った当初は待ちわびていた!!
といった様子で迎えましたが、飯はまだか!とかは全く言わなくはなりましが、基本は休みの日の日中の寝ていて大人しい時間のみ抱っこしてみるに留まり、そこはやはり初めての子供という事で、泣き出したらどうすればいいのか分からずに歩さんにお任せする体制でした。
夜中もやはり我が家にいた時と変わらずずっと泣き続けるのです。
夜中でも不安があったら電話をかけて来ていいから、と言ってあったので何回かもう辛いという電話がかかって来たりもしました。
私の自宅から歩さんの自宅は車でほんの数分だったのですが、ちょうどその頃私が歩さんからうつされた風邪を患っていてこれ以上の集団感染になるのはまずい、と数日行くのをやめていたのです。
その時は歩さん始め、旦那さん、私、私の旦那と大人がみんな風邪を引いている状態でした。
そんな中、我が家の子供達はとっくに寝静まった夜の10時くらいに歩さんから電話がかかってきました。いつもの夜泣きモードとも違う更に激しい泣き方で、自分の風邪がうつったのかもしれない、と熱を測ってみても熱もないし、もうどうしていいのかわからないから助けてほしい、という内容でした。
実は二ヶ月検診から自宅へ帰ったあたりからストレスなのか母乳がとまってしまったのです。なので、完全ミルクに切り替えた頃の事だったのです。
細かく事情を聞いている中、電話口から聞こえる激しい泣き声を聞いて思い当たる事がありました。
私はすぐさま
「うんち、いつからしてない?」
と聞きました。
すると、えぇと…と数え始め
「あ!三日してない!!」
と動揺した声で歩さんが答えました。
私は旦那に事情を話し常備していた赤ちゃん浣腸を手に取り、マスクもガッチリして車で歩さん宅に向かいました。
駐車場に着くと、あれ?旦那さんいるじゃないか!
と気付き、風邪で微熱気味だったのもあり、少しムスッとしながらあらかじめ鍵が開けてあった歩さん宅へ入って行きました。
すると、歩さんはもうお手上げ状態でペイちゃんを目の前にして放心状態でした。
旦那さんはテレビを見て笑いながらお酒を飲んでいました。
私の予想通りでした。やはり旦那さんは協力心のカケラもないのか、という苛立ちです。
旦那さんを呼び、まずお腹のマッサージのやり方を教え、しばらくしてもおならも出なかったので、綿棒での浣腸を試みました。
しばらく待っても効果はなく、今回は持って来た浣腸をするけど、この時期は1日でも出なかったらお腹のマッサージとか暇さえあればして排便を促さないといけない、と教えました。
特に母乳からミルクへ切り替わったタイミングでもあったし、メーカーを変える際とかも注意が必要なのだと。それほどに赤ちゃんとはデリケートなのだと、旦那さんにわざと聞かせるように語りました。
そして話がある!と言って、もう日頃の話も歩さんから聞いていた為、イライラの限界だった私は別室へ行き旦那さんに少しオーバーに言いました。
歩さんは育児ノイローゼだと思う。あんなに泣き続けるのだから無理もない。寝てないんだから!母乳が止まってしまうなんてよっぽどのストレスなんだよ?それを責めたりするなんてあり得ないし、育児ノイローゼとかは家族の協力がなければ乗り越えられない。
明日にでもニュースになるような事があれば私は全面的に歩さんの味方をする。
と最後は捨て台詞のようなことを言いました。
半分脅しに近い話をし、ペイちゃんが落ち着いた帰り際には歩さんにとって、ペイちゃんにとっての家族はあなたしかいないでしょう?今時、亭主関白など流行らない!!今時はイクメンなんだ!!ほんの少しの間泣いても頑張ってあやして見て、ゆっくりお風呂に入る時間をあげたりできないか!?と協力を強く強く要請しました。
大分年下の生意気な私に言われて腹が立っているだろうか?と心配はしましたが、その便秘事件の一件から今度こそ本当に改心したようで、旦那さんは進んでミルクを作ったり、仕事に行く前の1〜2時間だけでも、と朝のお世話を代わってくれるようになったのです。
少し家族としての絆が生まれたのでした。
そして、積極的に接点を持った旦那さんはペイちゃんが可愛くて可愛くて仕方ない様子に私はとても安堵しました。
しかし、私の風邪が治れば次に子供達の誰かが風邪を引いたりして中々風邪からさようならが出来ずにいた我が家は歩さんとペイちゃんとの間に入る事が出来ずに電話だけでのやり取りが続きました。旦那さんがいない時間はペイちゃんとの2人きりの時間が続き、本格的に鬱々は強くなっていったのです。