表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歩さんとペイちゃんの物語〜発達障害の実話  作者: mckee
全ての始まり
6/54

加速する夜泣き

それが、ダウン症。

そのサイトに書かれていたものを簡単にあげるならば、

・生まれた直後からハッキリした二重まぶたである

・抱っこした時にくにゃりとした柔らかさがある

・顔が全体的につりあがっている

・少し潰れたような低い鼻に、太い首

・口から舌が出ている

・あまり泣かない

・力が弱く哺乳力が弱い

・耳の位置が低い

・手に猿線がある



などが主な特徴としてあがられていました。

しかし、大体の子は看護師さんが取り上げた瞬間に気付く、とされていて、よほど軽傷でなければ見過ごすということはない、とも書かれていました。


まさか!と目を疑いましたが、まず哺乳力は圧倒的に弱い、口から舌が出ている、鼻も確かに潰れていて太い首、生まれてすぐからハッキリした二重まぶた、全体的につり上がっている、これらは満たしている。


私は三日三晩悩みました。

それを打ち明けるべきなのか、それとも医師や看護師さん達が何も言ってきてないのだから、あくまでも正常範囲内なのだろう、とか様々な事が頭をよぎりました。


しかし、その頃昼夜逆転が更に顕著に表れ始めていて、夜の8時くらいから朝の5時くらいまではほとんど泣いていました。日に日に大きくなる泣き声に歩さんもノイローゼ気味になっていました。

代わってあげたくても、なんとか母乳一本に持ち込みたくて頑張っていた時期でもあったので、一緒に夜中まで起きたりして話し相手になったり、たまには抱っこを変わったりするような生活でした。


とにかく泣いていない時間がないほど泣いているような状態なのに、朝の5時くらいを過ぎて日が昇る頃になるとすっと泣き止み、昼はどんなに周りが騒がしくてもずっと寝ているような生活でした。


歩さんは元々睡眠欲が強いタイプだったので、どんどんノイローゼ気味が加速しました。

ある日の夜中、歩さんがどんなにあやしても何をしても泣き止まないペイちゃんをソファに置き、布団にくるまって寝ている時がありました。


それを私の旦那が見て、私に対して、

「あれ、ちょっと歩ヤバいんじゃない?それこそペイちゃんもペイちゃんで、泣き疲れるとかもないのかな?なんか変じゃない?」

と言いました。


あまり育児に詳しくない旦那でさえも何かがおかしい、と感じたのでしょう。

私も3人の子育ての中で早期で夜泣きとかも経験し、黄昏泣きとかも経験していました。

確かに泣き方がちょっとおかしいよな、と感じました。


まだ2ヶ月未満で1日に8時間以上起き続け泣き続けるのです。おっぱいを咥えてる時間を差し引いても長すぎる。おかしい。その思いはどんどん膨れて行きました。


それからほどなくして、出産した病院にて低体重児ということで満二ヶ月の検診がありました。

この検診を間近にして、例のサイトを見せることにしたのです。なんと言っていいのか分かりませんでした。ただ無言でこれを見て欲しい、と携帯を差し出しました。


それを最初は何気なく見ていた歩さんも途中から目を見開き、絶句していました。

「嘘でしょ?!じゃあ、ペイはダウン症ってこと?!」


と一言つぶやいてからしばらくペイちゃんを見つめ沈黙しました。

しかし、ほろりほろりと涙を流しながらいいました。


「あたしさ、子育てってもっともっと楽しいものだと思っていたの。だってさ、みんな赤ちゃん産みましたー!って笑顔だし、みんな幸せそうじゃん?でもさ、でもさ。あたし、全然幸せじゃない。苦痛でしかないの。正直、何しても泣き止まないこの子みて可愛いなんて思えないの!でもさ!でもさ!ここでちゃんと母親らしいことしてなきゃ、周りになんて言われるんだろう、欠陥な母親とか言われちゃうんじゃないかって!」


この後は、溜まっていたものを吐き出したように子供のようにわんわんしばらく歩さんは泣きました。

私も一緒に泣きました。


でも、この育てにくさには何かがある、と私達は一日中どころか検診の日までひたすら話し合いました。

やはり、医師や看護師さん達が見逃す、ということはないのではないのか、であればダウン症の他にも色々疑わしいものを2人で調べ上げました。


そうして、そこから歩さんの戦いは始まりました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ