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歩さんとペイちゃんの物語〜発達障害の実話  作者: mckee
母としての壁
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対策に追われる日々

立つ度に危ないからと、私も歩さんも必死にズリバイ状態に戻すのですが、もう気に入らない!といった様子で本気で泣き叫ぶのです。


また、歩さんの家の玄関には靴を脱ぐ場所には30センチはないほどの少し高めの段差があるのですが、そこに行くまでには扉があり、普段は行けない場所となっていましたが、たまたま閉め忘れなどがあると、いそいそと玄関へ行き、その段差から転倒し、下のコンクリート部分に頭を打ち、頭部が赤くなるほどであっても、泣かずにペイちゃんのお目当ては靴についてきたであろう、小石を食べることだったりしました。


頭部を打っても、激しく転倒しても泣きもしないのに、私達が手を出すことには激しく泣き叫ぶのです。初期に感じたペイちゃんへの違和感が私の中でまた膨れてきた時期でした。


おかしい。

そう感じながらも歩さんは目をつむっている状態でした。


ペイちゃんはこの動き出しから変わったこともありました。誰にでもニコニコと笑顔満載になったのです。あれほどまでに他人を拒絶していたペイちゃんは今度は母親である歩さんに対する執着心がなくなったのです。


これも急に起こったことでした。

それまで笑顔を見ることもほとんどなかったペイちゃんは、ある日を境に旦那さんを始め、私に対してもニコニコの笑顔を振る舞うようになったのです。


その笑顔は本当に可愛らしく、全く人見知りもしないので、道行く人も話しかけてくる回数も増えました。


また、歩さん自身この動き出し前の数ヶ月間、とにかくペイちゃんの執着心を嫌というほど体感していたので旦那さんとも一緒に寝れる、私とも一緒に笑顔で過ごせる、そういったペイちゃんの柔軟な体制にとてもホッとしていたのです。


寝るときはもちろん、自分自身がトイレに入るときもご飯を食べるときも、いついかなる時もずっと抱っこしていなくてはならなかった大泣きから解放された、というのは大きかったのです。


それほどまでに床に置くことも一切許されず、ご飯支度をするときもおんぶで背負い、少しの買い物さえも常に一緒に過ごしていたのです。昼寝をして置くことも一切許されなかったのです。


歩さんはこの時のペイちゃんの母親に対する執着心は今までの分とこれからの分、全てが全部やってきた時期だと言います。


その全く誰にも執着心を持つことはない状態は現在2歳の今でも続いています。


そして、約9ヶ月を迎えた秋口の頃から少し進化しハイハイに近いズリバイをするようになり、お座りが出来るようになったのです。


この身体の成長は通常よりも少し早いテンポであったように感じます。

なぜなら、その直後にこれこそハイハイというものをせずについにつかまり立ちとつたい歩きがメインとなったからです。


これに対する対策は急務でした。棚の上にまともに手が届くようになったのです。

これはまずいぞ、と様々な策を講じました。


しかし、何をやってもひっくり返し大騒動となることが多かったのです。歩さんはペイちゃんを観察して、ある事に気付いたのです。


「ペイは、段ボールには興味もないし、食べることもない。」

そう言い、とにかく全てのものを段ボールに収納する日々が続きました。


棚の上のものも全て段ボールに収納し、家の中はどこかへお引越しですか?というほどに段ボールで色んなものが収納されるようになったのです。


すると、視界の範囲に食べる物がなくなったペイちゃんは新たな問題を起こし始めたのです。



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