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歩さんとペイちゃんの物語〜発達障害の実話  作者: mckee
母としての壁
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叫ぶ理由


生後七ヶ月となり、泣き叫ぶ以外に関しては順調に離乳食は進んでいました。

お粥以外の品目をあげても、なんでも丸呑み体制に変化もありませんでした。そして、丸呑みから次の一口が来るまで泣き叫ぶ。その繰り返しでした。


基本は、歩さんが午前中に離乳食を済ませるので、様子を聞く程度ではありましたが、私も週一回のペイちゃんのお世話の日があったので、その度に泣き叫ぶのは目の当たりにしました。


そんなある日、離乳食とは全く関係ない時にまたもや泣き出しました。それに対して妙な感覚を受けたのです。ペイちゃんの目線の先はテレビだったのです。


とてもそれが引っかかり、考えている内にピーンと糸が繋がりました。


それは、ペイちゃんが泣く瞬間は全て食べ物に関係しているのではないか!ということです。


通常の大人がご飯を食べている時や私の子供がおやつを食べている時に泣き叫ぶのはなんとなく理解していました。単純に食べたいからだろう、と感じていました。


「ペイちゃんはまだ食べれないよ〜。」

とやり過ごしていたのです。ここまでは、よくある話です。私の3人の子供の中には食べたがり屋さんもいて、理解できていました。


ここから先がペイちゃんの本領発揮なのです。

まず、子供達がおままごとをしていて、お料理をして食べる真似事をします。それに対しても泣き叫んでいたのではないだろうか。


次に、テレビです。急に泣き出した時に、テレビでは何が放送されていたのか。


確認せずにはいられませんでした。

予約録画の中から早送りをして、食べ物が流れるものを探しました。

しかし、反応はなかったのです。


あれ?思い過ごしかな?と思った瞬間、泣き叫びました。

その時放送されていたのは、カレーのコマーシャルです。カレーを美味しそうに食べるタレントさんの映像でした。


分かった!!!急に悟りました。


機嫌がよくなるのを待ってからバンボに座らせて、おままごとのトマトを取り出しました。


ペイちゃんの目の前で

「あーん。あーおいしい!!」

と、口をモグモグさせました。


「キィぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁ!!!!」

ビンゴでした。


誰かが、何かを食べている!それに反応するのです。

それが真似事であろうが、テレビであろうが、ペイちゃんの視界には誰かが何かを食べている!それだけだったのです。


理由がようやくハッキリした瞬間でした。

そして、それには続きがあります。


カレーのコマーシャルでタレントさんが食べいる最中は泣き叫ぶのに、カレーの箱を持って宣伝している場面では泣き止むのです。


同じく、私の食べ真似もないよ!と口を開けた瞬間に泣き止むのです。


一瞬の執着心なのです。目の前からなくなると全くそれに対しての執着心は消え去るのです。


私にとって本当に不思議な現象として捉えられました。

もちろん、その事を歩さんに報告もしました。すると、歩さんは


「そうだったんだ。でもさ、今更それを医者に言ったところで、門前払いだよ!あくまでも私がおかしい母親なんだろうからさ。」


と力なく言っていました。


私はなんとかならないものか、と思いました。その頃の大人達が食べている時の泣き叫びは本当に酷いものがあり、お昼ご飯などは子供と共に台所に隠れて食べたりしていたほどだったのです。


しかし、事態は生後8ヶ月を迎えて更に悪化しました。





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