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歩さんとペイちゃんの物語〜発達障害の実話  作者: mckee
母としての壁
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離乳食の開始

離乳食の開始はどのお母さんやお父さんでもドキドキすると思います。生まれて初めて口からミルク以外を入れるのです。どんな顔をするか、拒絶しないか、歩さんにとってもそれは同じでした。


最初だけ!最初だけ!と歩さんは離乳食を私の家に持ち込み、一緒に一口目を口に入れました。


ペイちゃんは不思議そうな顔をしつつも、ごくん!と素早く飲み込みました。


大丈夫そうだね、と2人で話し、その日は一口で終わりました。

事件が起きたのは2日目からでした。


バンボというお尻をすっぽりと入れるタイプの椅子に座らせられたペイちゃんの目の前に、前の日と同じ器に入ったお粥とスプーンが運ばれて来ました。その瞬間です。


「キィぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁ!!!!!!」

突然の奇声でした。


私は泣かれないように遠巻きに見ていたので、どうしたんだろう?と思いながら見ていました。歩さんも少し疑問に感じつつも


「はい、ペイちゃーん!あーん!」

というと、もう血眼とはこのことではないか、というほど…まるで飢えたライオンとかを思い浮かばせるほどの反応で


ばくっ!ごくん!!

「キィぁぁぁっぁぁぁっぁぁっぁぁ!!!!」


思わず歩さんは

「えっ!?丸呑み!?」

とビックリしていました。しかし、食べたいのか?ということで、もう一口あげました。


ばくっ!ごくん!!

「キィぁぁっぁぁっぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


なぜ食べた直後に泣くのかよくわかりませんでした。

歩さんがこちらを向き、もう一口あげてもいいのかな?という身振りそぶりをしたので、うんうん。と頷きました。


3口目も同じ反応でした。


3日目、ちょっとmckeeやってみて?私のあげ方が悪いのか丸呑みするから。と、歩さんに頼まれました。正直、ペイちゃんには拒絶されたままだったので、悩みましたが、お粥をもっていったら2日目と同じ反応でした。


私に対して泣いているというよりは、やはりお粥をみて泣いている印象でした。そして、私のことは全く見ていなかったのです。要はお粥のみを見つめて泣いているのです。


「はい、ペイちゃーん!」

とお粥をあげると、全く同じ反応でした。ばくっ!ごくん!!と丸呑みです。ちょっとくらいかむようなそぶりも全くなく、あの遅いミルクの飲み方が嘘のようでした。


ビックリする速度での丸呑みに、少し驚きましたが、その日は5口ほどあげました。5口全て泣き叫びました。


どうしたものか、話し合いましたが結論は単純に食べたくて泣いているんだろうとなりました。離乳食を食べないで大変な思いをする親御さんが多い中、ペイちゃんの離乳食は簡単で良かったじゃないか、とその時はポジティブに捉えていました。


お粥をくれるいいヤツ、との判定が出たのかペイちゃんの私に対する拒絶が緩んだ時期でもありました。しかし、その頃から離乳食とは全く関係ない時でさえも急に泣き叫ぶ事が増えたのです。


大人しいな、から急転してビックリする声量で泣き叫ぶので、大人はビクッと驚くほどでした。それは、私が平日の歩さんのアルバイトの日にひたすらペイちゃんの観察をして、ようやく理由が分かったのです。分かるまで恐らく1ヶ月はたっていました。



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